Artist: SZA
Album: SOS
Song Title: F2F
概要
2022年の2ndアルバム『SOS』に収録された、2000年代初頭のポップパンクやグランジ・ロックを彷彿とさせる異色のギター・トラックである。R&Bの枠組みを飛び越えたサウンドに乗せて歌われるのは、元恋人への激しい未練と自己嫌悪だ。「あなたが恋しいから、別の男と寝る」という強烈なパンチラインをコーラスに据え、寂しさを埋めるために無関係な他者を利用してしまう等身大の女性の自己破壊的な心理を赤裸々に描いている。Toxic(有毒)な失恋の痛みをポップに昇華させた本作は、ジャンルレスに進化するSZAの音楽性と、その圧倒的な共感力を証明する重要曲である。
和訳
[Verse 1]
I been thinkin' 'bout you, haven't got much sleep
あなたのことばかり考えてて、あんまり眠れてないの。
Worried that you already done replaced me
もう私の代わりを見つけたんじゃないかって不安で。
Worried I done took it too far and you too hurt to hear me
私がやりすぎちゃって、あなたが傷ついて私の話なんて聞きたくないんじゃないかって。
Smokin' on a Backwood 'cause I miss my ex
元彼が恋しくて、バックウッドを吸ってる。
※「Backwood」はタバコの葉で巻かれたブラント(葉巻)のブランドで、マリファナを巻くのによく使われる。失恋の痛みを麻痺させようとする姿を描写している。
Now I'm ovulatin' and I need rough sex
今、排卵期だから、激しいセックスがしたいのよ。
※「ovulatin'(排卵期)」。本能的な性欲の高まりを赤裸々に表現し、後述する「別の男と寝る」という行動の(生物学的な)言い訳にもしている生々しいラインだ。
Knowin' you gon' block me tomorrow, can you still come and get me?
明日には私をブロックするってわかってるけど、それでも迎えに来てくれる?
[Pre-Chorus]
Missin' my daddy when the nights get cold
夜が寒くなると、パパ(彼)が恋しくなる。
※「daddy」は実の父親、または庇護を与えてくれる男性(パパ/彼氏)のダブルミーニング。孤独感と承認欲求が入り混じった表現である。
Wishin' I didn't wanna sell my soul
自分の魂なんて売り飛ばしたくないのに。
Wishin' that it wasn't so hard, man, I'm on my knees
こんなに辛くなきゃいいのに。ねえ、私ひざまずいて祈ってるのよ。
[Chorus]
Get a rise out of watchin' you fall
あなたが落ちぶれるのを見て、興奮しちゃう。
※「get a rise out of~」は「〜で反応する、〜を見て面白がる(興奮する)」の意。Toxicな復讐心やサディスティックな感情の表れだ。
Get a kick out of missin' your call
あなたからの着信をわざと無視して、快感を得てるの。
※「get a kick out of~」も「〜から快感(スリル)を得る」という意味。
I hate me enough for the two of us
二人分くらい、自分のことが大嫌い。
Hate that I can't let go of you enough, this why
あなたを手放しきれない自分が嫌い、だから…
I fuck him 'cause I miss you
あなたに会いたいから、別の男とヤッてるの。
※本楽曲のハイライト。元彼への未練や寂しさを埋めるために、全く関係のない別の男性と肉体関係を持つという究極の自己矛盾と破壊的衝動をストレートに歌い上げている。
I fuck him 'cause I really miss you
本当にあなたに会いたいから、彼とヤッてるのよ。
I fuck him 'cause I miss you
あなたが恋しいから、ヤッてるの。
[Verse 2]
I just had to get my rocks off
ただ欲求不満を解消したかっただけなのよ。
※「get one's rocks off」は「(性的に)発散する、イく」というスラング。別の男とのセックスに感情は伴っていないことを示している。
You got no loyalty, you push me 'til I pop off
あなたには誠実さがない。私がブチ切れるまで追い詰めるじゃない。
I beg for empathy, you gave me nothing
思いやりを求めてたのに、あなたは何もくれなかった。
So hard without you (So hard without you)
あなたがいないと本当に辛い。(いないと辛いの)
I feel it coming, you gon' find anothеr one
わかってる、あなたは別の女を見つけるんでしょ。
To keep you calm and tuck you in at night, I wonder
あなたを落ち着かせて、夜にはベッドに寝かしつけてくれるような女をね。どうなのかな。
Will you call me? Will you hang mе out to dry?
私に電話してくれる? それとも、私を見捨てる気?
※「hang out to dry」は「見捨てる、干す、窮地に陥れる」というイディオム。
[Pre-Chorus]
Missin' my daddy when the nights get cold
夜が寒くなると、あなたが恋しくなる。
Wishin' I didn't wanna sell my soul
自分の魂なんて売り飛ばしたくないのに。
Wishin' that it wasn't so hard, man, I'm on my knees
こんなに辛くなきゃいいのに。ねえ、私ひざまずいて祈ってるのよ。
[Chorus]
Get a rise out of watchin' you fall
あなたが落ちぶれるのを見て、興奮しちゃう。
Get a kick out of missin' your call
あなたからの着信をわざと無視して、快感を得てるの。
I hate me enough for the two of us
二人分くらい、自分のことが大嫌い。
Hate that I can't let go of you enough, this why
あなたを手放しきれない自分が嫌い、だから…
I fuck him 'cause I miss you
あなたに会いたいから、別の男とヤッてるの。
I fuck him 'cause I really miss you
本当にあなたに会いたいから、彼とヤッてるのよ。
I fuck him 'cause I miss you
あなたが恋しいから、ヤッてるの。
[Outro]
I'm lookin' for comfort, I knew all along
慰めを探してるだけ。ずっと前からわかってた。
I knew that you loved her, since we droppin' bombs
あなたが彼女(浮気相手)を愛してるって、私たちが爆弾を落とし合う(大喧嘩する)前からわかってたし。
I fuck him 'cause I miss you
あなたに会いたいから、別の男とヤッてるの。
I fuck him 'cause I really miss you
本当にあなたに会いたいから、彼とヤッてるのよ。
I fuck him to forget you
あなたを忘れるために、彼とヤッてる。
I fuck him 'cause I miss you
あなたが恋しいから、ヤッてるの。
I fuck him 'cause I miss you
あなたに会いたいから、ヤッてるの。
I try to run, but I don't block 'em
逃げようとするけど、男たちをブロックしたりはしない。
Fuck 'em, but I don't cuff 'em
ヤるけど、本気で付き合ったりしない。
※「cuff」は「手錠をかける(cuff)」から転じて「恋人として独占する、正式に付き合う(cuffing)」というスラング。肉体関係は持つが心は誰にも許さない、虚無感に満ちた着地点である。
I fuck 'em 'cause I miss you
あなたが恋しいから、あいつらとヤッてるのよ。
