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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

SOS - SZA 【和訳・解説】

Artist: SZA

Album: SOS

Song Title: SOS

概要

歴史的名盤『CTRL』から実に5年半の沈黙を破り、2022年にリリースされた2ndアルバム『SOS』のオープニングを飾るタイトルトラックである。Gabriel Hardeman Delegationのゴスペル曲「Until You Come Back to Me」の重厚なサンプルに乗せ、SZAは自身のスタイルを模倣するフォロワーや元恋人への痛烈なメッセージをラップとボーカルを交えて叩きつける。長期間のブランクを感じさせない絶対的な自信(「私が選ばれし者だ」)を誇示する一方で、豊尻手術(BBL)を受けたことをあっけらかんと告白するなど、彼女特有の赤裸々で生々しい魅力は健在である。アルバム全体を覆う「喪失感」と、トップアーティストとしての「玉座への帰還」を強烈に印象づける、宣戦布告のようなイントロダクションだ。

和訳

[Intro]
Last night, I cried
昨日の夜、私は泣いたの。
※サンプリング元のGabriel Hardeman Delegation「Until You Come Back to Me」の一節。アルバム全体のテーマである「喪失」と「痛み」を象徴する幕開けである。

[Verse]
Give me a second, give me a minute
ちょっと待って、1分だけちょうだい。

Nah, lil' bitch, can't let you finish
いや、あんたみたいなビッチに最後まで喋らせないから。
※カニエ・ウェストがテイラー・スウィフトのスピーチを遮った有名な「Imma let you finish」へのオマージュと思われる。自らのカムバックにおいて、他者の口出しを許さないという強い意志の表れだ。

Yeah, that's right, I need commissions on mine
そうよ、私のもたらした利益(コミッション)はきっちりもらうわ。

All that sauce you got from me
あんたが私からパクったその魅力(ソース)もね。
※「sauce」はスタイルや魅力、才能を指すスラング。SZAのスタイルを模倣して成功したフォロワーたちへの強烈な牽制である。

All that shit I gave for free
私がタダで与えてあげたもの全部。

I want it back, want it back
返してよ、全部取り戻すから。

This ain't no warnin' shot
これはただの威嚇射撃じゃない。

Case all you hoes forgot
あんたたちビッチが忘れてるみたいだから言うけど。

Know you been more than lost
私がいない間、あんたたち完全に迷子になってたでしょ。

Without me, I'm so
私がいなきゃダメなんだから。私はもう…

Comin' back, I'm so greasy
カムバックするのよ、私めっちゃヤバいでしょ。
※「greasy」は本来「脂っこい」という意味だが、ここでは「滑らかでキレがある」「イケてる」といったニュアンスで使われている。

Ex-nigga, he so needy
元彼は相変わらずかまってちゃん(needy)だし。

Punk ass tried to replace me, but the stakes is too high
あのクソ野郎、私の代わりを見つけようとしたみたいだけど、ハードルが高すぎたわよね。

They can't survive off mini-me
私の劣化コピー(ミニ・ミー)じゃ生きていけないんだから。

I'm talkin' pedigree
私の血統(ペディグリー)は別格なのよ。

Ain't no writers, that's just me
ゴーストライターなんていない、全部私が書いてるの。

Ain't no spiteful, I'm just tea
別に意地悪で言ってるんじゃない、ただの事実(ティー)よ。
※「tea」は真実、ゴシップ、本音を指すインターネットスラング("spill the tea"など)。

Can't hate a bitch for free
タダで私を嫌うなんて許さないから。

Talkin' I'm off the bench like Brady
トム・ブレイディみたいにベンチから復帰してやるって話。
※NFLの伝説的クォーターバック、トム・ブレイディの引退からの現役復帰を引き合いに出し、5年半ぶりのアルバムリリースという自身の劇的なカムバックを重ね合わせている。

I'm pressin' niggas like KD, it's up
ケビン・デュラント(KD)みたいにプレッシャーかけてやる。もう最高潮よ。
※NBAのスター選手ケビン・デュラントの名前を出し、ゲームを支配する絶対的な自信を表現している。

Yeah, nigga, it's up to me
ええ、全部私次第なのよ。

Remind you of Dеlla Reese
デラ・リースを思い出させるでしょ。
※デラ・リース(Della Reese)はアメリカの伝説的な黒人歌手・女優。クラシックで力強い歌声と存在感を自身に重ねている。

So classic, that ass so fat, it look natural, it's not
超クラシック。このお尻めっちゃデカくて自然に見えるでしょ、でも作り物(整形)なの。
※BBL(ブラジリアン・バット・リフト:豊尻手術)を受けたことをあっけらかんと告白する、SZAならではの赤裸々すぎるパンチライン。自らのコンプレックスや秘密を堂々と晒す姿が多くのリスナーの支持を集めた。

I talk bullshit a lot
私ってよくくだらないこと(嘘)も言うし。

No more fuck-shit, I'm done
でももう、クソみたいなことは終わり、おしまい。

Damn right, I'm thе one
その通り、私が「選ばれし者」なのよ。

Damn right, I'm the one
ええ、私がナンバーワンよ。

Comin' back, she so candid
カムバックする彼女は、めっちゃ赤裸々(キャンディッド)。

Comin' back snatched like bandit
盗賊みたいに全部奪い取って(スナッチして)カムバックする。
※「snatched」は「(見た目が)完璧、イケてる」という意味のスラングと、物理的に「奪う(snatch)」を掛けた秀逸なダブルミーニング。

Comin' back, this ain't canned shit
カムバックするわ。これは缶詰みたいな量産品じゃないの。

I'm organic with my fresh squeezed
私は搾りたてで、オーガニックなんだから。

I'm dumpin' like press squeeze
プレス機みたいにガンガン言葉を絞り出してやる。

I'm horny like, "Suck these"
発情して「これしゃぶって」って感じだし。

So daring like, "Touch me"
超大胆に「私に触れて」って感じよ。

And all the petty shit aside
くだらないことは全部置いといて。

All the funny shit aside
おふざけも抜きにして。

I just want what's mine
私はただ、自分のものを取り戻したいだけ。

Mine, oh
私のものをね。

I just want what's mine
ただ、私の正当な評価(もの)が欲しいの。

This ain't no warnin' shot
これはただの威嚇射撃じゃないから。

Case all you hoes forgot
あんたたちビッチが忘れてるみたいだから言うけど。

And I cried and cried
そして私は泣いて、泣き叫んだ。

Said what's on my mind
心の中にあることを全部吐き出したの。

Ooh, oh, I cried
あぁ、私は泣いたのよ。

 

SOS

SOS

  • SZA
  • R&B/ソウル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes