Artist: The Weeknd
Album: Thursday
Song Title: The Birds Pt. 2
概要
前曲「The Birds Pt. 1」で発せられた冷酷な警告の結末を描く、『The Birds』のクライマックスを飾る楽曲である。冒頭に鳴り響く女性の泣き声と生々しい銃声は、彼に弄ばれた架空のヒロイン・ヴァレリーの精神的崩壊、あるいは自殺という悲劇的な結末を暗示している。イギリスのシンガー、マルティナ・トプレー=バードの「Sandpaper Kisses」を不気味にサンプリングし、痛みを伴う愛と破滅へのカウントダウンをシネマティックに演出している。「自分は忠告したのに、君が勝手に自滅しただけだ」と冷たく突き放すアベルの絶対的な虚無感と、Toxic(有害)な自己中心性が極限まで表現されたダーク・R&Bのトラウマ的傑作だ。
和訳
[Crying/Gunshot]
(泣き声/銃声)
※楽曲の冒頭に挿入される女性の泣き声と銃声。彼に都合よく扱われ続けたヒロイン(ヴァレリー)が、絶望のあまり自ら命を絶った、あるいは取り返しのつかない凶行に及んだことを示唆するショッキングな幕開けである。
[Intro]
Woah, with a nigga like me
Woah、俺みたいな最低な男にさ
Woah, with a nigga like me
Woah、俺みたいなクズにな
[Verse 1]
She said "Please, mercy me, mercy me
彼女は言ったんだ「お願い、私を哀れんで、慈悲をちょうだい」って
Let me fall outta love, before you fuck her, before you fuck her"
「あなたが他の女を抱く前に、私の恋心を終わらせてよ」ってな
She begged me, she gave me all her pills
彼女は俺にすがりつき、自分のクスリを全部俺に差し出してきた
Now my back hurts
そのせいで、今俺は背中が痛むんだよ
※「pills(錠剤)」と「back hurts(背中の痛み)」。オーバードーズによる肉体的な苦痛、あるいは彼女の重すぎる感情(Pills)を背負わされたことによる精神的・肉体的な負荷のメタファーである。
Oh, she lost control
ああ、彼女は完全に理性を失っちまったんだ
[Chorus]
Now she pleading, she on the floor, she on the floor
今や彼女は床に這いつくばって、泣き叫んで哀願している
※文字通り床に崩れ落ちて泣き叫ぶ姿、あるいはドラッグや絶望により倒れ伏している状態を描写している。
Baby got her pleading, she on the floor, she on the floor
ベイビーは彼女を泣き叫ばせ、床に這いつくばらせているんだ
She said it won't be long before she falls out of love
彼女は「私があなたを愛さなくなるまで、もう長くはないわ」って言うけど
It won't be long before she falls out of love
愛想を尽かすまで、きっと時間の問題だろうな
[Post-Chorus: Martina Topley-Bird & The Weeknd]
Sandpaper kisses, papercut bliss
紙やすりのキス、紙で指を切るような至福
※イギリスのシンガー、Martina Topley-Birdの「Sandpaper Kisses」(2003年)からのサンプリング。「Sandpaper(紙やすり)」や「Papercut(紙で切った傷)」は、彼が与える愛が常に痛みや傷を伴う残酷なものであるというメタファーである。
Don't know what this is, but it all leads to this
これが何なのかは分からない、でも全てはこの結末へ繋がっていたの
You're gonna leave her
あなたは彼女を捨てるつもりなんでしょ
You have deceived her
あなたは彼女を騙したのよ
You're just a bird
あなたはただの「鳥」なんだから
Just a bird
すぐに飛び去ってしまう、ただの鳥
[Verse 2]
I tried to kiss you
俺は君にキスしようとしたのに
But you never let me miss you
君は俺に、寂しがる隙すら与えてくれなかった
※「俺が君を恋しく思う前に、君の方からすがりついてきた」という、相手の重すぎる依存への嫌悪感と、身勝手な責任転嫁である。
But you never let me miss you
俺に、君を恋しがらせてくれなかったんだ
I thought I told you
ちゃんと言ったはずだぜ
I'm not him, I'm not him
俺は「あいつ(君の理想の男)」じゃないって
Look what you did, nobody forced your hand
自分のしでかしたことを見てみろよ、誰も君に強制なんてしてないさ
And don't you fall for a nigga like me, I begged, I begged
「俺みたいな男に惚れるな」って、俺は何度も頼んだじゃないか
※「Pt. 1」での警告を盾に取り、彼女の死や崩壊に対する一切の責任を放棄している。冷酷なサイコパス性が際立つラインである。
[Chorus]
Now you're pleading, she on the floor, she on the floor
今や君は床に這いつくばって、哀願している
Now you're pleading, she on the floor, she on the floor
今や君は床に這いつくばって、泣き叫んでいる
She said it won't be long before she falls out of love
彼女は「私があなたを愛さなくなるまで、もう長くはないわ」って言うけど
It won't be long, before she falls out of love
愛想を尽かすまで、きっと時間の問題だろうな
[Post-Chorus: Martina Topley-Bird & The Weeknd]
Sandpaper kisses, papercut bliss (Oh, my love)
紙やすりのキス、紙で指を切るような至福(ああ、愛しい人)
Don't know what this is, but it all leads to this
これが何なのかは分からない、でも全てはこの結末へ繋がっていたの
You're gonna leave her (If she only knew)
あなたは彼女を捨てるつもりなんでしょ(彼女が知ってさえいれば)
You have deceived her
あなたは彼女を騙したのよ
You're just a bird
あなたはただの「鳥」なんだから
Just a bird
すぐに飛び去ってしまう、ただの鳥
[Outro]
Just a bird
ただの鳥さ
(Just a bird)
(ただの鳥)
Just a bird
ただの鳥さ
(Just a bird)
(ただの鳥)
Just a bird
ただの鳥さ
(Just a bird)
(ただの鳥)
Just a bird
ただの鳥さ
(Just a bird)
(ただの鳥)
Just a bird
ただの鳥さ
(Just a bird)
(ただの鳥)
Just a bird
ただの鳥さ
(Crows cawing)
(カラスの鳴き声)
※アウトロで響く不吉なカラスの鳴き声。死や不吉な前兆を象徴し、このToxicな関係が完全な破滅を迎えたことを決定づける、シネマティックな音響演出である。
