Artist: Tyler, The Creator
Album: Flower Boy
Song Title: Glitter
概要
本楽曲は、前曲「November」のアウトロからシームレスに繋がるラブソングである。タイラーが意中の相手(白人の男性とされる)の留守番電話に残した「音声メッセージ」という設定になっており、相手への溢れんばかりの恋心と「キラキラ輝く(Glitter)」ような高揚感が、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)の影響を色濃く感じさせる多幸感溢れるサウンドに乗せて歌い上げられる。しかし、その底抜けの明るさの裏には「どうせこの恋は実らない」という悲観的な諦めや、自傷をほのめかすダークなラインが隠されている。さらに、曲の最後では「音声が認識できなかったためメッセージは保存されなかった」というシステム音声が流れ、タイラーの純粋な告白が相手に届かずに消えてしまうという、残酷で切ないオチが用意された傑作だ。
和訳
[Intro]
Da na na na na, da na na na na
ダナナナナ、ダナナナナ。
Da na na na na, my baby
ダナナナナ、マイ・ベイビー。
You've been on my mind (How ya feel?)
ずっと君のことが頭から離れないんだ(どんな気分だ?)。
I'm losing my mind because
正気を失いそうだよ、だって、
I hope that we can be more than just friends
俺たちがただの友達以上の関係になれればって、願ってるからさ。
※前曲「November」の最後で留守番電話に接続された後、タイラーが相手に向けて吹き込んでいる音声メッセージ(告白)の始まり。
[Chorus]
Fireworks, I feel like glitter
花火みたいだ、俺はグリッター(ラメ)になったような気分さ。
※恋に落ちたことで、自分自身が花火やラメのようにキラキラと輝いているという多幸感の表現。
And every time you come around, I feel like glitter (How ya feel?)
君がそばに来るたびに、俺はグリッターになった気分になる(どんな気分だ?)。
You're the one that I needed in my life (How ya feel?)
君こそが俺の人生に必要だった人なんだ(どんな気分だ?)。
You're the one that I needed in my life
君こそが俺の人生に必要だった人なんだ。
[Verse 1]
Ayo, mirror mirror on the wall, who the brightest of them all?
エイヨー、鏡よ鏡、壁の鏡さん。この世で一番輝いてる(明るい)のは誰だい?
※童話『白雪姫』の有名なセリフの引用。タイラーが恋をして内面から輝いていることを示している。
I never been the darkest one 'cause my self esteem is tall
俺が一番暗かったことなんてないぜ、俺の自尊心は高い(デカい)からな。
So I never seen eye-to-eye with y'all niggas, ayo
だから俺はお前らニガどもと目線を合わせた(意見が合った)ことなんてないのさ、エイヨー。
※tall(背が高い=自尊心が高い)だから、周りの連中とeye-to-eye(目線の高さが同じ=意見が合う)にならないという言葉遊び。
Uno peso, never paid attention to what niggas gotta say-o
ウノ・ペソ(1ペソ)。ニガどもの言うことなんて、1ペソの価値も(少しも)気に留めなかった。
So I keep that buck, I ain't give no fuck
だから俺は100(バック)をキープする、俺は全く気にしねえよ。
※buck=「100ドル(keep it a hundred=リアルでいる)」と「気にしない(give no fuck)」の韻踏み。
They ain't build me up so I block 'em like Lego
奴らが俺をビルドアップ(成長)させてくれたわけじゃない。だからレゴブロックみたいに奴らをブロックして(遮断して)やるのさ。
Feelin' glitter, feelin' good and great
キラキラした気分だ、最高で素晴らしい気分さ。
Got the burner, got the heat, like wait
バーナー(銃)を持ってる、熱(ヒート=銃)を持ってるぜ、待てよ。
Got the shit, it's all up on that hip
ヤバいブツを持ってる、全部この腰(ヒップ)のところにな。
I'll use it on myself on the day you dip
君が去って行く(ディップする)日には、そいつを自分自身に向けて使ってやるよ。
※失恋したら拳銃自殺するという、明るい曲調に隠された極端でダークな愛情表現(パラノイア)。
Got that 4, 5, 7, track 8 for me
俺には4、5、7、そしてトラック8がある。
※拳銃の口径(.45口径、.357マグナム、.38(track 8)口径)の比喩。同時に、本アルバムのトラック4(See You Again)、5(Who Dat Boy)、7(Garden Shed)、8(Boredom)といった感情の起伏を表す楽曲番号にも掛かっていると考察される。
Baby doll, I hope you agree
ベイビー・ドール、君も同意してくれるといいな。
Because you light my
だって君は俺の、
[Chorus]
Fireworks, I feel like glitter (I don't even know what that means)
花火に火をつけるんだ。俺はグリッターになった気分さ(自分でもそれがどういう意味か分かんねえけどな)。
And every time you come around, I feel like glitter
君がそばに来るたびに、俺はグリッターになった気分になる。
(How ya feel?) You're the one that I needed in my life
(どんな気分だ?)君こそが俺の人生に必要だった人なんだ。
(How ya feel?) You're the one that I needed in my life
(どんな気分だ?)君こそが俺の人生に必要だった人なんだ。
'Cause I love having you around (I love)
だって君がそばにいてくれるのが大好きなんだ(大好きさ)。
'Cause I love having you around
だって君がそばにいてくれるのが大好きなんだ。
[Verse 2]
Yeah, look at my face, look at that joy
ああ、俺の顔を見てくれよ、この喜びを見てくれ。
This is one sided, yeah, I can't lie
これは片思いだ。ああ、嘘はつけねえな。
※この恋が成就することはないと、タイラー自身がすでに悟っている悲しい現実。
We ain't gon' work out, we a fat boy
俺たちは上手くいかない(ワークアウトしない)、俺たちはファットボーイ(肥満の男)だからな。
※work out(関係が上手くいく)と、work out(運動・筋トレ)を掛け、ファットボーイは運動しない=俺たちは上手くいかないという秀逸な言葉遊び。
Yeah, sumo, got it, memo
ああ、スモウ(相撲)だ。分かった、メモしとくよ。
※ファットボーイから連想される相撲への言及。
Pale skin see-through, must be a window
透き通るような青白い肌、まるで窓ガラスみたいだな。
※タイラーの片思いの相手が白人男性(噂されるWyatt Navarroなど)であることを示唆している。
'Cause you ain't an L, could be a DJ
だって君はL(ルーザー/負け犬)じゃない、DJかもしれないな。
※ヒップホップ界のレジェンドDJである「LL Cool J」の名前をもじったワードプレイ。L(負け)ではなく、レコードを回す(プレイする側)のDJだという意味。
When I see you, my heart beat changes tempo
君を見ると、俺の心臓の鼓動(ビート)のテンポが変わっちまうんだ。
Yeah, simple, that's what I want but I can't
ああ、シンプルに、それが俺の望みだ。でもできないんだよ。
That's who you are but I ain't (How ya feel?)
それが君という人間だけど、俺はそうじゃないからさ(どんな気分だ?)。
We can track 10 skiptrace, I'm caught in your quicksand, wait
俺たちはトラック10で「スキップトレース(人探し)」できる。俺は君の流砂(底なし沼)にハマっちまった、待ってくれ。
※トラック10=本アルバムの10曲目「911 / Mr. Lonely」。孤独なタイラーが救難信号(911)を出し、君への思いという底なし沼から抜け出せなくなっている状態。
Please don't save me
お願いだ、俺を救わないでくれ。
[Bridge]
Ooooh
オォー。
(Please don't save me, yeah)
(お願いだ、俺を救わないでくれ、イェー)
How ya feel?
どんな気分だ?
(Rose tinted cheeks)
(バラ色に染まった頬)
※「See You Again」でも歌われた、相手の頬の特徴的な描写。
How ya feel?
どんな気分だ?
How ya feel?
どんな気分だ?
How ya feel?
どんな気分だ?
How ya feel?
どんな気分だ?
How ya feel?
どんな気分だ?
(Scum Fuck Flower Boy)
(スカム・ファック・フラワー・ボーイ)
※本アルバムの本来のフルタイトル。
How ya feel?
どんな気分だ?
(Scum Fuck Flower Boy)
(スカム・ファック・フラワー・ボーイ)
How ya feel?
どんな気分だ?
(Scum Fuck Flower Boy)
(スカム・ファック・フラワー・ボーイ)
How ya feel?
どんな気分だ?
How ya feel?
どんな気分だ?
[Outro]
We didn't get your message, either because you were not speaking or because of a bad connection
「メッセージを保存できませんでした。無言であったか、電波状況が悪かった可能性があります」
※自動音声アナウンス。曲全体を通してタイラーが熱く語りかけた「留守番電話への告白」が、システムエラーによって相手の元には残らなかったという残酷な結末。
Fuck
「クソッ」
※自分の渾身の告白が消えてしまったことに対する、タイラーの切なくも呆然とした呟きで曲が幕を閉じる。
