Artist: Tyler, The Creator
Album: Cherry Bomb
Song Title: CHERRY BOMB
概要
本楽曲は、タイラー・ザ・クリエイターの4作目のアルバム『Cherry Bomb』(2015年)のタイトルトラックである。前半は耳をつんざくようなディストーションとノイズが支配するパンク/インダストリアル調の攻撃的なビート上で、ステレオタイプなラッパーたちや周囲の評価を気にせず、己の感性(色鮮やかな服や独自の音楽)を貫くという彼の強烈なエゴと反逆精神が爆発(=チェリーボム)する。しかし後半(Part II)に差し掛かると、不協和音は突如として甘くメロウなネオソウルへと変貌し、ジ・インターネットのシド(Syd)が「爆竹のようにコントロールを失う高揚感」を歌い上げる。彼の持つ「破壊衝動」と「美しいメロディへの渇望」という二面性を見事にパッケージングした、キャリア屈指の野心作である。
和訳
[Part I]
[Intro: Tyler, The Creator]
I really made this song just so I could perform it
俺はこの曲をライブで演るためだけに作ったんだ。
I don't even know what it mean
自分でもこれが何を意味するのか分かってねえよ。
It means something
でも、何か意味はあるはずさ。
[Verse 1: Tyler, The Creator]
Aw, nah, boy, don't cut that wood
あぁ、いや、ボーイ、その木は切るなよ。
Found out his flowers don't smell that good
あいつの花はそんなにいい匂いがしないって気づいたんだ。
※他人の基準で自分の才能や個性(花)を評価されることへの比喩。
But if they smell real good to him
でも、もしあいつ自身がその匂いを最高だと思ってるなら、
Then he don't need nobody else nose to win
勝つために「他の誰かの鼻(評価)」なんて必要ねえんだよ。
※他人の承認欲求に縛られず、自分が愛するものを信じろというタイラーからの力強いメッセージ。
Look, I am a god
見ろよ、俺は神だ。
Nobody prays to the sight of you
お前の姿を見たって、誰も祈りやしねえよ。
All y'all niggas wear camouflage
お前らニガは全員、カモフラージュ(迷彩服)を着てやがる。
※迷彩柄=ストリートやギャングスタ・ヒップホップにおけるステレオタイプな服装。皆が同じ格好をして風景に同化していることを皮肉っている。
I'm in a field wearing pink and blue
俺はピンクとブルーの服を着て、野原に立ってるぜ。
I wear pink, they can see me
俺はピンクを着るから、連中からよく見えるのさ。
※黒人ラッパーらしからぬパステルカラーを好む自身の異端なスタイルこそが、唯一無二の存在感(視認性)を放っているという自負。
Nigga, you don't create, you just repeat
ニガ、お前は何も「創造(クリエイト)」してねえ、ただ繰り返してるだけだ。
※自身のアーティスト名「The Creator」に恥じない、クリエイティビティへの誇り。
Nigga, you don't got drive, you just beep-beep
ニガ、お前には「ドライブ(推進力/運転)」がねえ、ただビービー鳴らしてる(文句を言う)だけだ。
Beep-beep, talk shit from the backseat
ビービー鳴らして、後部座席からクソみたいな文句を垂れてな。
[Pre-Chorus: Tyler, The Creator]
Come and light my fire
こっちに来て、俺に火をつけてみろ。
I'll blow your fucking face off
お前のクソみたいな顔を吹き飛ばしてやるよ。
Nigga, I'm the goddamn pilot
ニガ、俺がクソヤバいパイロットだ。
※前曲「PILOT」からの繋がり。
And I decide when we gon' take off, let's get it
いつ離陸するかは俺が決める。さあ、行くぞ。
[Chorus: Tyler, The Creator]
(Yeah, yeah, yeah, yeah)
(イェー、イェー、イェー、イェー)
Tie the knot (Yeah, yeah, yeah, yeah)
結び目を作って(イェー、イェー、イェー、イェー)
Kick the chair (Yeah, yeah, yeah, yeah)
椅子を蹴り飛ばす(イェー、イェー、イェー、イェー)
Float in the air (Yeah, yeah, yeah)
宙に浮かぶ(イェー、イェー、イェー)
※首吊り自殺の手順。既存の古い自分を殺し、新たな自分として生まれ変わる(宙に浮かぶ=重力や束縛から自由になる)という強烈なメタファー。
That's cherry bomb
それがチェリーボム(爆発)だ。
[Verse 2: Tyler, The Creator]
You motherfuckers want war? Then come get it
お前らクソ野郎ども、戦争がしたいのか? なら、かかってこいよ。
You motherfuckers don't really want it
本当はそんなもん望んじゃいねえくせにな。
You motherfuckers want war and I want more
お前らは戦争を望んでるが、俺はもっと多くのものを望んでる。
Nigga, fuck you and everything that you come for
ニガ、お前とお前の目的すべてがクソくらえだ。
You motherfuckers wanna blow? Pow-pow
お前らクソ野郎ども、ぶっ放したいのか? パウ・パウ。
Pow-pow, let's take 'em to the gun store
パウ・パウ、奴らをガンストア(銃砲店)に連れて行ってやろうぜ。
I don't got enough time
俺には十分な時間がねえんだ。
Fuck your Rolex, nigga
お前のロレックスなんて知るかよ、ニガ。
Don't compare him to mine
あいつと俺の時計(時間)を比べるな。
'Cause I don't know that nigga
俺はあんなニガのこと、知らねえからな。
[Pre-Chorus: Tyler, The Creator]
Come and light my fire
こっちに来て、俺に火をつけてみろ。
I'll blow your fucking face off
お前のクソみたいな顔を吹き飛ばしてやるよ。
Nigga, I'm the goddamn pilot
ニガ、俺がクソヤバいパイロットだ。
And I decide when we gon' take off, let's get it
いつ離陸するかは俺が決める。さあ、行くぞ。
[Chorus: Tyler, The Creator]
(Yeah, yeah, yeah, yeah)
(イェー、イェー、イェー、イェー)
Tie the knot (Yeah, yeah, yeah, yeah)
結び目を作って(イェー、イェー、イェー、イェー)
Kick the chair (Yeah, yeah, yeah, yeah; woo!)
椅子を蹴り飛ばす(イェー、イェー、イェー、イェー! ウー!)
Float in the air (Yeah, yeah, yeah)
宙に浮かぶ(イェー、イェー、イェー)
That's cherry bomb
それがチェリーボムだ。
[Bridge: Tyler, The Creator]
You motherfuckers want war?
お前らクソ野郎ども、戦争がしたいのか?
Fuck that, light this, that cherry bomb
そんなのクソだ。これに火をつけな、そのチェリーボムにな。
※怒りやヘイト(戦争)にエネルギーを注ぐのではなく、自身の創造性やパッション(チェリーボム)に火をつけろという扇動。以下、同フレーズの繰り返し。
Fuck that, light this, that cherry bomb
そんなのクソだ。これに火をつけな、そのチェリーボムにな。
Fuck that, light this, that cherry bomb
そんなのクソだ。これに火をつけな、そのチェリーボムにな。
Fuck that, light this, that cherry bomb
そんなのクソだ。これに火をつけな、そのチェリーボムにな。
Fuck that, light this, that cherry bomb
そんなのクソだ。これに火をつけな、そのチェリーボムにな。
Fuck that, light this, that cherry bomb
そんなのクソだ。これに火をつけな、そのチェリーボムにな。
Fuck that, light this, that cherry bomb (That cherry bomb!)
そんなのクソだ。これに火をつけな、そのチェリーボムにな。(そのチェリーボムに!)
Fuck that, light this, that cherry bomb (That cherry bomb!)
そんなのクソだ。これに火をつけな、そのチェリーボムにな。(そのチェリーボムに!)
Fuck that, light this, that cherry bomb (Ah!)
そんなのクソだ。これに火をつけな、そのチェリーボムにな。(アァ!)
Fuck that, light this, that cherry bomb
そんなのクソだ。これに火をつけな、そのチェリーボムにな。
Fuck that, light this, that cherry bomb
そんなのクソだ。これに火をつけな、そのチェリーボムにな。
Fuck that, light this, that cherry—
そんなのクソだ。これに火をつけな、そのチェリー…
[Part II]
[Refrain: Syd, Tyler, The Creator, Both]
Firecracker and I'm ready to blow
私は爆竹(ファイヤークラッカー)、いつだって爆発する準備はできてる。
※ここからノイズが止み、ジ・インターネットのSydによるメロウで美しいネオソウル・パートへと一変する。
You fire me up, I lose control (I lose control)
あなたが私に火をつける、私はコントロールを失うの。(コントロールを失う)
Firecracker and I'm ready to blow
私は爆竹、いつだって爆発する準備はできてる。
You fire me up, I lose control (I lose control)
あなたが私に火をつける、私はコントロールを失うの。(コントロールを失う)
Firecracker and I'm ready to blow
私は爆竹、いつだって爆発する準備はできてる。
You fire me up, I lose control (I lose control)
あなたが私に火をつける、私はコントロールを失うの。(コントロールを失う)
Firecracker and I'm ready to blow
私は爆竹、いつだって爆発する準備はできてる。
You fire me up, I lose control (I lose control)
あなたが私に火をつける、私はコントロールを失うの。(コントロールを失う)
Firecracker and I'm ready to blow (Yeah, yeah, yeah)
私は爆竹、いつだって爆発する準備はできてる。(イェー、イェー、イェー)
You fire me up, I lose control (Yeah, yeah, yeah, yeah; I lose control)
あなたが私に火をつける、私はコントロールを失うの。(コントロールを失う)
(Yeah, yeah, yeah, yeah)
(イェー、イェー、イェー、イェー)
You fire me up, I lose control (Yeah, yeah, yeah, yeah; I lose control)
あなたが私に火をつける、私はコントロールを失うの。(コントロールを失う)
(Yeah, yeah, yeah, yeah)
(イェー、イェー、イェー、イェー)
I'm ready to blow, you fire me up (Yeah, yeah, yeah, yeah; I lose control)
爆発する準備はできてる、あなたが私に火をつける。(コントロールを失う)
(Yeah, yeah, yeah, yeah)
(イェー、イェー、イェー、イェー)
You fire me up, I lose control (Yeah, yeah, yeah, yeah; I lose control)
あなたが私に火をつける、私はコントロールを失うの。(コントロールを失う)
Firecracker, firecracker, firecracker (I lose control)
爆竹、爆竹、爆竹。(コントロールを失う)
Yeah, yeah, yeah, yeah, yeah, yeah, yeah (I lose co—)
イェー、イェー、イェー、イェー、イェー、イェー、イェー。(コントロールを…)
Yeah
イェー。
[Outro]
Yeah, yeah, yeah, yeah
イェー、イェー、イェー、イェー。
"GOLF 191, Okaga! Playing only classic hits!"
「GOLF 191、オカガ! クラシック・ヒットだけをお届けします!」
※タイラーが自身のアルバムで度々用いる、架空のラジオ局(ここではOKAGA, CAのGOLF Radio)のジングル。カオスな楽曲を一本のラジオ番組のように繋ぐ役割を果たしている。
