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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

20 Something - SZA 【和訳・解説】

Artist: SZA

Album: Ctrl

Song Title: 20 Something

概要

2017年の歴史的デビューアルバム『CTRL』のフィナーレを飾る、アコースティックギターのみで弾き語られる美しくも切ないバラードである。20代(Twenty-Something)特有の将来への不安、何者にもなれていない焦燥感、友人や恋人を失っていく孤独を、日記のように赤裸々に歌い上げている。何一つ自分名義のものを持たず、愛から逃げてしまう「不完全な自分」を抱きしめながら、それでもこの20代を生き延びようと祈る姿は、世界中の同世代のリスナーから深い共感を集めた。アウトロではSZAの母親による「コントロール(CTRL)」という概念への最終的な答えが語られており、完璧ではない人生を受容するアルバムの完璧なエンディングとなっている。

和訳

[Verse 1]
How you ain't say you was movin' forward?
なんで「もう前に進んでる」って言ってくれなかったの?

Honesty hurts when you're gettin' older
大人になるにつれて、正直でいることって痛みを伴うよね。

I gotta say, I'll miss the way you need me, yeah
ぶっちゃけ、あなたに必要とされてた頃が恋しくなると思う。

Why you ain't say you was gettin' bored?
なんで「もう飽きた」って言ってくれなかったの?

Why you ain't say I was fallin' short?
なんで「私の力不足だ」って言ってくれなかったのよ?
※「fall short」は期待や基準に達しないこと。自分は彼にとって十分な存在ではなかったという劣等感と、それを隠されていたことへの静かな悲しみが吐露されている。

How you lead me out so far away?
なんでこんな遠くまで、私を連れ出しちゃったのかな?

[Pre-Chorus]
How could it be? Twenty-something
どうしてこうなっちゃったのかな? 20代の私。

All alone, still not a thing in my name
一人ぼっちで、自分の名義のものはまだ何一つないし。
※「not a thing in my name(自分名義の財産や実績が何もない)」。家も車もなく、社会的に何も成し遂げていないという20代特有の焦燥感や自己無価値観を端的に表している。

Ain't got nothin', runnin' from love, only know fear
何も持ってないし、愛から逃げてばかり。知ってるのは恐怖だけ。

That's me, Ms. Twenty-Something
それが私、「ミス・20代」よ。

Ain't got nothin', runnin' from love
何も持ってないし、愛からは逃げてばかり。

Wish you were here, oh
あなたがここにいてくれたらいいのに。

[Chorus]
Stuck in them twenty-somethings, stuck in them twenty-somethings
20代特有の悩みにどっぷりハマっちゃって、抜け出せないの。

Good luck on them twenty-somethings, good luck on them twenty-somethings
20代のみんな、せいぜい頑張って生き延びようね。

But God bless these twenty-somethings
でも、この20代の私たちに神のご加護がありますように。

(God bless, oh, God bless, oh, God bless, oh, God bless, oh)
(神様、どうか守ってよ)

Hopin' my twenty-somethings won't end
私のこの20代が終わらなきゃいいのにって願ってる。

Hopin' to keep the rest of my friends
今残ってる友達とは、ずっとこのままでいられますように。
※大人になるにつれて人間関係が淘汰されていく寂しさと、今ある繋がりを失いたくないという切実な願い。

Prayin' the twenty-somethings don't kill me, don't kill me
この20代の苦しみが、私を殺さないようにって祈ってるの。

[Verse 2]
Weird
変だよね。

Took us so long to separate
私たちが別れるまでに、あんなに時間がかかったのに。

I feel, it's permanent like a riptide, this time
今回はリップタイド(離岸流)みたいに、もう永遠に戻れない気がする。
※「riptide」は岸から沖へ向かう強い潮の流れ。抗おうとしても海の奥底へ流されてしまう、決定的な別れの絶望感を海に例えている。

Waves crashing fast, I try
波が激しく打ち寄せる中で、もがいてるの。

Think of the past, please stay
過去を思い出して、「行かないで」って。

(How could it be?)
(どうしてこうなっちゃったの?)

[Pre-Chorus]
How could it be? Twenty-something
どうしてこうなっちゃったのかな? 20代の私。

All alone still, not a phone in my name (Name)
まだ一人ぼっち。自分名義の携帯電話すら持ってない。(名義の)
※アメリカの若者が親のファミリープラン(家族割)から抜け出せず、自立しきれていないモラトリアムな現状を「携帯の名義」という極めてリアルなワードで切り取っている。

Ain't got nothin', runnin' from love, only know fear
何も持ってないし、愛から逃げてばかり。知ってるのは恐怖だけ。

That's me, Ms. Twenty-Something
それが私、「ミス・20代」よ。

Ain't got nothin', runnin' from love
何も持ってないし、愛からは逃げてばかり。

Wish you were here, oh
あなたがここにいてくれたらいいのに。

[Chorus]
Stuck in them twenty-somethings, stuck in them twenty-somethings
20代特有の悩みにどっぷりハマっちゃって、抜け出せないの。

Good luck on them twenty-somethings, good luck on them twenty-somethings
20代のみんな、せいぜい頑張って生き延びようね。

But God bless these twenty-somethings
でも、この20代の私たちに神のご加護がありますように。

(God bless, oh, God bless, oh, God bless, oh, God bless, oh)
(神様、どうか守ってよ)

Hopin' my twenty-somethings won't end
私のこの20代が終わらなきゃいいのにって願ってる。

Hopin' to keep the rest of my friends
今残ってる友達とは、ずっとこのままでいられますように。

Prayin' the twenty-somethings don't kill me, don't kill me
この20代の苦しみが、私を殺さないようにって祈ってるの。

[Post-Chorus]
(God bless, oh, God bless, oh, God bless, oh, God bless, oh)
(神様、どうか守ってよ)

(God bless, oh, God bless, oh, God bless, oh, God bless, oh)
(神様、どうか守ってよ)

(God bless, oh, God bless, oh, God bless, oh, God bless, oh)
(どうか私たちを守って)

[Outro: Mommy & SZA]
And if it's an illusion, I don't want to wake up. I'm gonna hang on to it.
それがもし幻想だとしても、私は目を覚ましたくない。それにしがみついて生きていくわ。

Because the, the, the alternative is an abyss, it's just a hole, a darkness, a nothingness.
だって、その代わりにあるのは深淵(アビス)で、ただの穴、暗闇、無でしかないんだから。

Who wants that? You know?
誰がそんなものを望むの? わかるでしょ?

So that's what I think about control. And that's my story, and I'm stickin' to it
だから、それが私の考える「コントロール」なのよ。それが私の出した答えだし、私はその考えを貫くわ。
※SZAの母親であるオードリーの肉声。1曲目「Supermodel」での「コントロールを失うことへの恐怖」に対する最終的なアンサー。たとえ幻想(錯覚)であっても、人生を「コントロールできている」と思い込むことが、暗闇に飲み込まれずに生き延びるための防衛術であるという、アルバムの核心を突くメッセージだ。

That was beautiful, mommy, that was perfect
すごく美しいよ、ママ。完璧だった。

 

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