Artist: SZA
Album: Ctrl
Song Title: Go Gina
概要
90年代の大ヒットコメディ番組『Martin(マーティン)』に登場する、真面目で融通の利かないキャリアウーマンのキャラクター「ジーナ(Gina)」をモチーフにした楽曲だ。周囲の期待や世間の目に縛られて窮屈に生きる女性(あるいはSZA自身)に向けて、「もっと肩の力を抜いて、自分のために楽しもう」というメッセージが込められている。同時に、偽りの友人関係(インナーサークル)への不信感や、他人に依存せず「誰のモノでもない自分(I belong to nobody)」を確立しようとするインディペンデントな姿勢が、気怠くもグルーヴィーなベースラインに乗せて語られる。名盤『CTRL』の中でも自己肯定と解放を促す重要なエンパワーメント・トラックである。
和訳
[Verse 1]
Hey, love
ねえ、愛しい人。
Yeah, I lost you, babe
そうね、あなたを失っちゃった。
Pickin' up a penny with a press-on is
付け爪(プレスオン)で1セント硬貨を拾うのって難しいけどさ。
Easier than holding you down
あなたを繋ぎ止めておくことに比べたら、そっちの方がまだ簡単よ。
※長い付け爪で床の小銭を拾う物理的な難しさと、気まぐれな相手を自分に縛り付ける(hold down)精神的な困難さを対比させた秀逸なメタファー。
Can't be any harder than holding you up now
今のあなたを支えることより難しいことなんてないし。
To come clean I said, to be real is (To come clean is to come clean)
正直に言うとね、リアルになるってことはさ。(正直になるってことは)
To be real, it's
本当の自分になるってことは…
Probably true what they say about me
みんなが私のこと言ってる噂、たぶん本当なのよ。
Probably came from my inner circle
たぶん、私の身内(インナーサークル)から漏れたんでしょ。
It usually come from your inner circle
そういうのって大体、身近な連中から出てくるものだし。
※「inner circle(親友や側近のグループ)」。信頼していたはずの身近な人間からの裏切りや陰口に対する、諦めと人間不信が滲んでいる。
Or lack thereof and I don't know who I can trust
いや、そもそもそんな身内なんていないか。もう誰を信じていいかわからないの。
I've been droppin' out and
私はドロップアウトして。
I've been hangin' out with my high friends
ハイになってる友達とつるんでるの。
And we too stoned to pay attention now
みんなガンギマリ(stoned)で、周りのことなんて気にしてられないんだから。
(Much too cool for seventh grade)
(中学1年生にしちゃ、クールすぎるでしょ)
I mean really, it's same me, it's old me
つまりマジで、私は私のまま。昔の私と変わらないのよ。
You know? Same shit
わかるでしょ? 相変わらずってこと。
I've been on the low-key grinding
目立たないように、ずっと努力(グラインド)してきたのよ。
※「low-key(こっそり、控えめに)」「grinding(必死に働く、努力する)」。周囲のノイズから離れて自分のやるべきことに集中している状態。
(Grinding, grinding, grinding, grinding, grinding)
(ずっと頑張ってきたの)
Learning on the low-key, shining
こっそり学んで、輝いてるの。
Tryin' to keep to myself
自分の世界にこもろうとしてるのに。
But you bring me out of character
あなたがまた、私を本来のキャラじゃない状態に引きずり出すのよ。
※「bring someone out of character(普段の自分らしさを失わせる)」。Toxicな相手や環境のせいで、せっかく保っていた心の平穏が乱されてしまうことへの不満。
Every time again
いつだって、何度でもね。
[Chorus]
Damn, Gina, damn, Gina
ヤバいね、ジーナ。たまんないよ、ジーナ。
※「Damn, Gina」は90年代のシットコム『Martin』で、主人公マーティンが恋人ジーナの魅力的な姿を見た時や、彼女に圧倒された時(あるいは彼女が小言を言う時)に放つ有名なキャッチフレーズ。
Them jeans, they must be uptight, mama
そのジーンズ、きっとキツキツなんでしょ、ねえ。
※「uptight(きつい、窮屈な)」と「uptight(神経質な、堅苦しい)」を掛けたダブルミーニング。真面目すぎてガチガチになっている女性の心身を、タイトルのGinaと重ねて表現している。
You need some get right, mama
あなたには「リフレッシュ」が必要よ、ねえ。
※「get right」は「気分を良くする、本来の状態に戻る」こと。ここでは酒やドラッグ、あるいはセックスなどで羽目を外してリラックスし、自分を取り戻すことを勧めている。
Go, Gina, go, Gina (Still works for me, it works for me, no)
いけ、ジーナ。いけ、ジーナ。(私はまだこれでいける、これでいけるのよ、うん)
Go get that get right, mama (It works for me, it works for me, no)
羽目を外しに行きなよ、ねえ。(私はこれでいける、これでいけるの)
Go, Gina, go, Gina (Still works for me, it works for me, no)
いけ、ジーナ。いけ、ジーナ。(私はまだこれでいける、これでいけるの)
Go 'til you get right, mama (It works for me, it works for me, no)
スッキリするまでやりなよ、ねえ。(私はこれでいける、これでいけるの)
[Verse 2]
I belong to nobody, hope it don't bother you
私は誰のモノでもないの、気を悪くしないでよね。
You could mind your business
あなたは自分のことだけ気にしてればいいから。
I belong to nobody, try not to disturb or
私は誰のモノでもない。だから邪魔しないでよ。
Mind my business
私自身のことに集中させて。
※恋愛関係や他者の評価に依存していた過去の自分(「Supermodel」等で描かれた姿)からの決別宣言。「自立」と「他者との境界線」を明確にしようとする強い意志の表れである。
[Chorus]
Still works for me, it works for me, no
私はまだこれでいける、これでいけるのよ、うん。
It works for me, it works for me, no (Go, Gina, go, Gina)
私はこれでいける、これでいけるの。(いけ、ジーナ。いけ、ジーナ)
Still works for me, it works for me, no
私はまだこれでいける、これでいけるのよ、うん。
It works for me, it works for me, no (Go, Gina, go, Gina)
私はこれでいける、これでいけるの。(いけ、ジーナ。いけ、ジーナ)
Still works for me, it works for me, no
私はまだこれでいける、これでいけるのよ、うん。
It works for me, it works for me, no (Go, Gina, go, Gina)
私はこれでいける、これでいけるの。(いけ、ジーナ。いけ、ジーナ)
Still works for me, it works for me, no
私はまだこれでいける、これでいけるのよ、うん。
It works for me, it works for me, no (Go, Gina, go, Gina)
私はこれでいける、これでいけるの。(いけ、ジーナ。いけ、ジーナ)
[Instrumental outro]
