Artist: Michael Jackson
Album: Got to Be There
Song Title: Maria (You Were The Only One)
概要
1972年発表のマイケル・ジャクソンのソロ・デビュー・アルバム『Got to Be There』に収録された、劇的でエモーショナルなソウル・バラードである。オリジナルは1970年にジミー・ラフィンが歌った楽曲だが、当時わずか13歳のマイケルは、自分のもとを去った恋人「マリア」への切実な未練と喪失感を、大人顔負けの生々しいボーカルで表現しきっている。モータウン特有のストリングスとドラマチックな曲調に乗せて、泣き叫ぶようなシャウトやフェイクを交える彼の歌声は、単なる天才チャイルド・シンガーという枠を完全に凌駕しており、後年の「She's Out of My Life」などにも通じる、彼特有の悲哀を帯びたバラード表現の原点と言える。
和訳
[Verse 1]
(Maria)
(マリア)
Hey-hey, eh, eh, hey, Maria (Maria)
ヘイ、マリア(マリア)
Don't you hear me calling, Maria? (Maria)
僕が呼んでるのが聞こえないの、マリア?(マリア)
Girl, you know you were the only one
ねぇ、君だけが僕のたった一人の人だったって、わかってるだろ
[Verse 2]
Hey-hey, eh, eh, hey, Maria (Maria)
ヘイ、マリア(マリア)
Don't you miss me a little? (Maria)
少しは僕がいなくて寂しいって思わないの?(マリア)
After all, you were the only one
だって、君だけが僕のたった一人の人だったんだから
[Chorus]
Come on back to me, Maria (Maria)
僕のところへ戻ってきてよ、マリア(マリア)
Come on back to me, girl
戻ってきてよ、ねえ
[Verse 3]
Hey-hey, hey, eh, hey, Maria (Maria)
ヘイ、マリア(マリア)
It's been long, so long, oh (Maria)
もうずいぶん、本当にずいぶん長く感じるよ、あぁ(マリア)
Since you've been gone
君がいなくなってからさ
[Verse 4]
Hey-eh, eh, eh, ey, Maria (Maria)
ヘイ、マリア(マリア)
Don't you need me just a little? (Maria)
ほんの少しでも、僕のこと必要じゃないの?(マリア)
'Cause honest, girl, you were the only one (Maria)
だって本当に、君だけが僕のたった一人の人だったんだから(マリア)
Come on back to me, Maria
僕のところへ戻ってきてよ、マリア
Oh, come on back to me, girl (Maria)
あぁ、戻ってきてよ、ねえ(マリア)
[Breakdown]
Oh, Maria, ooh, baby (Maria)
あぁマリア、ベイビー(マリア)
I need you, hmm-hmm-mmm (Maria)
君が必要なんだ(マリア)
Maria (Maria)
マリア(マリア)
Why, why you keep running away? (You keep running away)
どうして、どうして逃げ続けるの?(君は逃げ続ける)
※問いかけるようなボーカルの震えと、バックコーラスの無情な反復が、彼の孤独感と届かない想いを残酷なまでにあぶり出している。
Ooh, baby, you keep running away (You keep running away)
あぁベイビー、君は逃げていくばかりだね(君は逃げ続ける)
Ooh, baby, yeah
あぁベイビー、そうさ
[Verse 5]
Maria, I need you, honey
マリア、君が必要なんだ、ハニー
Oh, Maria, you sweet little sunflower
あぁマリア、君は可愛らしくて小さなひまわりみたいな人だった
※「sunflower(ひまわり)」は無邪気さや温かさの象徴である。相手を花に例えることで、13歳の少年らしい純粋な愛情表現が際立つとともに、もう手の届かない存在となってしまった美しさへの執着を描き出している。
[Bridge]
Oh, hear my plea for sympathy
あぁ、僕の同情を求める悲痛な叫びを聞いてよ
※「plea for sympathy」というやや大人びた表現を、マイケルは見事に感情移入して歌い上げている。単なる失恋の枠を超えた、魂の救済を求めるような響きがある。
I just want you here with me, Maria
ただ僕のそばにいてほしいだけなんだ、マリア
Ooh, yeah
あぁ、そうだ
Empty arms and lonely nights
誰も抱きしめられない空っぽの腕と、孤独な夜
That's my life without you, girl (Maria)
それが、君のいない僕の人生なんだよ(マリア)
I'm so lonely, I'm so blue
とても寂しくて、とても憂鬱だよ
Without you, darling, my life is through (Maria)
君がいなきゃ、ダーリン、僕の人生は終わりだ(マリア)
Come on back!
戻ってきてよ!
※張り裂けるようなこの「Come on back!」のシャウトは、のちの『Off The Wall』や『Thriller』で見せる爆発的な感情表現の萌芽である。
[Outro]
You keep running away
君は逃げ続ける
Come back, come back
戻ってきて、戻ってきてよ
(You keep running away)
(君は逃げ続ける)
Ooh, baby
あぁ、ベイビー
I need you
君が必要なんだ
(You keep running away)
(君は逃げ続ける)
I love you, ooh, baby
愛してるんだ、あぁベイビー
(You keep running away)
(君は逃げ続ける)
Ooh, baby
あぁ、ベイビー
(Come back, come back)
(戻ってきて、戻ってきて)
Maria (You keep running away)
マリア(君は逃げ続ける)
Ooh, baby, gotta have you
あぁベイビー、君がいなきゃダメなんだ
(You keep running away)
(君は逃げ続ける)
Oh, come back, come back
あぁ、戻ってきて、戻ってきてよ
(Come back, come back)
(戻ってきて、戻ってきて)
Maria (You keep running away)
マリア(君は逃げ続ける)
Ooh, baby, I need you
あぁベイビー、君が必要なんだ
(You keep running away)
(君は逃げ続ける)
Gotta have you, gotta have you
君がいなきゃ、君がいなきゃダメなんだ
(Come back, come back)
(戻ってきて、戻ってきて)
Maria (You keep running away)
マリア(君は逃げ続ける)
Come back, come back, ooh, baby
戻ってきて、戻ってきてよ、あぁベイビー
(You keep running away)
(君は逃げ続ける)
Oh, come back, come back
あぁ、戻ってきて、戻ってきてよ
(Come back, come back)
(戻ってきて、戻ってきて)
Maria (You keep running away)
マリア(君は逃げ続ける)
I gotta have you, I gotta have you
君がいなきゃ、君がいなきゃダメなんだよ
(You keep running away)
(君は逃げ続ける)
Ooh, baby
あぁ、ベイビー
※アウトロ全体に渡って繰り広げられるバックコーラスとのコール&レスポンスとアドリブの連続。喉を枯らさんばかりの痛切なボーカルは、若き天才がすでにソウル・ミュージックの神髄を体現していたことを証明している。
