Artist: SZA (feat. Isaiah Rashad)
EP: Z
Song Title: Warm Winds
概要
2014年にリリースされた出世作であるEP『Z』に収録され、TDE(Top Dawg Entertainment)のレーベルメイトであるアイザイア・ラシャドを客演に迎えた2部構成の重要曲である。前半(Part I)は、自らの内なる子供(インナーチャイルド)へ語りかけるように、自己嫌悪や焦燥感をなだめ、ありのままの美しさを肯定する内省的なメッセージが歌われる。続く後半(Part II)ではビートがメランコリックに転調し、名作映画からの引用を交えながら、過去の恋愛や思春期のノスタルジーへの逃避行がドリーミーに描かれる。自傷的なメタファーや90年代カルチャーへの言及など、SZA特有の「日記のように赤裸々で生々しい」ソングライティングが堪能できる。後の『CTRL』における「等身大の孤独と葛藤」の原点とも言える、オルタナティブR&Bの傑作だ。
和訳
[Part I]
[Intro: SZA]
Hey, hey, glory child, hey
ねえ、ねえ、光り輝く子供よ、ねえ。
[Verse 1: SZA]
Hey, glory child, don't you worry
ねえ、グローリー・チャイルド、そんなに心配しないでよ。
Stuttering and shaken out of fear
恐怖で震えて、上手く言葉も出ないみたいだけど。
Beauty's never given in a hurry
本当の美しさは、焦ったって手に入らないのよ。
So condescending, leave your questions here
見下すような態度はやめて、疑問はここに置いていきなよ。
※「condescending(見下すような)」は、完璧主義ゆえに自分自身の不完全さを厳しくジャッジしてしまう彼女自身の心の声に対する牽制である。
Hey, glory child, don't you worry
ねえ、グローリー・チャイルド、心配しなくていいから。
I can see your skeleton so clear
あなたの骨組み(本質)まで、私にははっきり見えてるの。
※「skeleton(骨格)」は飾らない本質や、内面に隠された脆さを意味するメタファーだ。
Doubting's only made your visions blurry
疑ってばかりいるから、目の前が曇っちゃうのよ。
You're better off just looking in the mirror
ただ鏡の中の自分を見つめる方が、ずっとマシなんだから。
[Chorus: SZA]
Show me a better way, I wish you could
もっといい方法を教えてよ、あなたができればいいのに。
Show me a better way, I wish you would
もっといい方法を教えてよ、あなたがしてくれたらいいのに。
Come home today
今日こそ、お家に帰ってきて。
You could come home today
今日、帰ってきてもいいんだよ。
※「home(家)」は物理的な家ではなく、安心できる心の居場所や、本来の自分自身(インナーチャイルド)への回帰を意味している。
[Verse 2: SZA]
I am shooting stars, don't you see me?
私は流れ星よ、見えないの?
Watching over your every mistake
あなたの失敗なんて、全部お見通しなんだから。
Digging out of graves is never easy
自分のお墓(絶望)から這い上がるのは、いつだって簡単じゃないよね。
Handing you my shovel here to take
ほら、私のシャベルを貸してあげるから、受け取って。
Always playing catch-me-if-you-can
いつだって「鬼ごっこ」をしてるみたい。
Gingerbread, you heard I'm sweet to taste
ジンジャーブレッドよ、私って甘くて美味しいって聞いたでしょ。
※童話『ジンジャーブレッドマン』の引用。逃げ回る主人公と、恋愛や自己探求において常に逃避しがちな自分自身を重ね合わせている。
Close your eyes, let go, and count to ten
目を閉じて、力を抜いて、10まで数えてみて。
I'll keep track of every moment wasted
無駄にしちゃった時間は、私が全部数えておくからさ。
[Chorus: SZA]
Show me a better way, I wish you could
もっといい方法を教えてよ、あなたができればいいのに。
Show me a better way, I wish you would
もっといい方法を教えてよ、あなたがしてくれたらいいのに。
Come home today
今日こそ、お家に帰ってきて。
You could come home today
今日、帰ってきてもいいんだよ。
[Part II]
[Intro: SZA, Isaiah Rashad, SZA & Isaiah Rashad]
Dear God, make me a bird
神様、私を鳥にしてください。
So I can fly far, far, far away
そうすれば、遠く、遠く、どこまでも飛んでいけるから。
※映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』で、虐待を受ける少女ジェニーが神に祈る有名なセリフの引用。過酷な現実からの強い逃避願望を表している。
Dear God, make me a bird
神様、私を鳥にしてください。
So I can fly far, far, far away
そうすれば、遠く、遠く、どこまでも飛んでいけるから。
Dear God, make me a bird
神様、私を鳥にしてください。
So I can fly far, far, far away
そうすれば、遠く、遠く、どこまでも飛んでいけるから。
Warm winds on a space ride (Space ride)
宇宙旅行に吹く、生暖かい風。(宇宙旅行の)
When I call your phone on a late night (Late night)
深夜にあなたに電話をかける時。(深夜に)
I recall your soul had a taste like (Taste like)
あなたの魂がどんな味だったか、思い出すの。(どんな味か)
Gardens, flowers, warm winds
庭園とか、お花とか、温かい風みたいな味。
※アイザイア・ラシャドの気怠いコーラスとの掛け合いで、過去の美化された記憶やノスタルジーがサイケデリックに描写されている。
[Chorus: SZA & Isaiah Rashad]
The clouds below your feet
あなたの足元には雲が広がってて。
Quit clipping on your wings
もう自分の羽を切り落とすのはやめなよ。
※「clip wings(翼を刈る)」は自由や可能性を奪うことのメタファー。自己肯定感の低さから自らを制限してしまう癖への警告である。
Sometimes you hate to leave somebody
誰かと離れるのが、すごく嫌になる時もあるよね。
What's happening to we?
私たち、どうなっちゃうんだろう?
Warm winds on a space ride
宇宙旅行に吹く、生暖かい風。
When I call your phone on a late night
深夜にあなたに電話をかける時。
I recall your soul had a taste like
あなたの魂がどんな味だったか、思い出すの。
Gardens, flowers, warm winds
庭園とか、お花とか、温かい風みたいな味。
The clouds below your feet
あなたの足元には雲が広がってて。
Quit clipping on your wings
もう自分の羽を切り落とすのはやめなよ。
Sometimes you hate to leave somebody
誰かと離れるのが、すごく嫌になる時もあるよね。
What's happening to we?
私たち、どうなっちゃうんだろう?
Warm winds on a space ride
宇宙旅行に吹く、生暖かい風。
[Verse 1: SZA]
Sometimes I call your name out loud
たまに、大声であなたの名前を呼んじゃうの。
Just to make sure it's you
それが本当にあなたか、ただ確かめたくて。
Sometimes I crack my veins open
時々、自分の静脈を切り開いちゃうんだ。
※リストカット(自傷行為)を仄めかす極めてダークでリアルな表現。自身の生存や現実感を確かめるための破滅的な衝動が生々しく描かれている。
Just to see if it's blue
血が本当に青いのか、ただ見てみたくてさ。
You clean me up
あなたはそんな私を、綺麗に拭ってくれるよね。
[Chorus: SZA, SZA & Isaiah Rashad]
The clouds below your feet (Clean)
あなたの足元には雲が広がってて。(綺麗に)
Quit clipping on your wings (Our wings, yeah)
もう自分の羽を切り落とすのはやめなよ。(私たちの羽を)
Sometimes you hate to leave somebody (You'll see)
誰かと離れるのが、すごく嫌になる時もあるよね。(そのうち分かるよ)
What's happening to we?
私たち、どうなっちゃうんだろう?
Warm winds on a space ride
宇宙旅行に吹く、生暖かい風。
When I call your phone on a late night
深夜にあなたに電話をかける時。
I recall your soul had a taste like
あなたの魂がどんな味だったか、思い出すの。
Gardens, flowers, warm winds
庭園とか、お花とか、温かい風みたいな味。
The clouds below your feet
あなたの足元には雲が広がってて。
Quit clipping on your wings
もう自分の羽を切り落とすのはやめなよ。
Sometimes you hate to leave somebody
誰かと離れるのが、すごく嫌になる時もあるよね。
What's happening to we?
私たち、どうなっちゃうんだろう?
Warm winds on a space ride
宇宙旅行に吹く、生暖かい風。
[Verse 2: SZA]
Sometimes I bite my lips and close my eyes
時々、唇を噛みしめて目を閉じるの。
Just to pretend it's you
それがあなただって、ただ思い込みたくて。
Long live lonely thoughts on Thursday nights
木曜の夜の孤独な考え事よ、永遠に。
That's when I think of you
そういう時に限って、あなたのことを思い出しちゃう。
We were all thirteen once (once)
私たち、誰だって一度は13歳だったよね。(一度は)
Long live tramp stamps and Pepper Ann (Pepper Ann)
腰のタトゥーと『ペッパー・アン』よ、永遠に。(ペッパー・アン)
※「tramp stamps」は腰の低い位置に入れるタトゥー(しばしば性的に奔放な女性の象徴と揶揄される)。「Pepper Ann」は90年代後半のディズニーのアニメ番組。不器用でダサかった思春期(13歳)への強烈な郷愁である。
You will never judge me for that (Uh-uh)
あなたはそんな私を、絶対にジャッジしたりしない。(ううん)
You will always love me for that (Uh-huh)
だからこそ、あなたはいつも私を愛してくれるのよ。(うん)
※ダメな部分や過去の痛みを共有し、ジャッジせずに受け入れてくれる相手(あるいは音楽そのもの)への深い依存と愛情が示されている。
[Outro: SZA]
Quit clipping on your wings
もう自分の羽を切り落とすのはやめなよ。
Sometimes you hate to leave somebody
誰かと離れるのが、すごく嫌になる時もあるよね。
Whats happening to we?
私たち、どうなっちゃうんだろう?
Warm winds on a space ride
宇宙旅行に吹く、生暖かい風。
When I call your phone on a late night
深夜にあなたに電話をかける時。
I recall your soul had taste like
あなたの魂がどんな味だったか、思い出すの。
Gardens, flowers
庭園とか、お花みたいな味。
