Artist: Tyler, The Creator (feat. Casey Veggies & Mike G)
Album: Wolf
Song Title: Parking Lot
概要
本作は、タイラー・ザ・クリエイターの3rdアルバム『Wolf』(2013年)に収録された、Odd Future(OFWGKTA)の古参メンバーであるケイシー・ヴェジーズ(Casey Veggies)とマイク・G(Mike G)を客演に迎えたポッセカットだ。タイラー自身が手掛けたジャジーでレトロなビートに乗せ、ロサンゼルスのフェアファックス・アベニューでスケートボードに明け暮れ、駐車場(パーキング・ロット)でたむろしていた彼らの原点「Loiter Squad(たむろする軍団)」のノリをそのままパッケージングしている。アニメやポップカルチャーのパロディ、毒気のあるジョークが飛び交う一方、アウトロのスキットでは、主人公WolfとヒロインSalemの浮気を知った不良のSamが殺意を抱き、Wolfも応戦の構えを見せるという、アルバムのコンセプト・ストーリーが急展開を迎える重要な楽曲である。
和訳
[Intro: Tyler, The Creator]
I don't fucking like this shit, fuck
こんなクソみたいなの気に入らねえよ、クソッ。
Ah!
アァ!
[Verse 1: Tyler, the Creator]
Tall ugly nigga with lips bigger than Tigger
ティガーよりデカい唇をした、背が高くてブサイクなニガさ。
※Tigger=『くまのプーさん』のキャラクター。自身の容姿を自虐的に表現している。
Only blue print on these Vans like I don't listen to Jigger (Uhh)
このVansの靴には青いプリント(ブループリント)しかない。まるでジガー(Jay-Z)を聴かないみたいにな。
※Jay-Zの愛称Jiggerと、彼の名盤『The Blueprint』、そしてVansのスニーカーの柄を掛けた秀逸な言葉遊び。
Cotton-picking nigga, Golf Wang season sicker than the block
綿花を摘むニガ、Golf Wangのシーズンはブロックの誰よりもヤバいぜ。
※Cotton-picking=黒人奴隷の歴史を逆手に取ったブラックジョーク。
Colette and skateshops, where wolves deal 'em (Uhh)
コレットやスケートショップ、そこが狼(俺たち)の取引場所だ。
※Colette=かつてパリにあった世界的な高級セレクトショップ。彼らのブランドがスケートショップだけでなくハイエンドな店でも扱われているというボースティング。
Workshop is awesome, ask Dill and let's pretend
エイリアン・ワークショップは最高だ、ディルに聞いてみな、そしてフリをしようぜ。
※Alien Workshop=スケートボードのブランド。Jason Dillはその看板スケーターであり、Supremeのモデル。
Like I'm not making dollar Bill Withers on these fucking stickers (Uhm)
俺がこのクソみたいなステッカーでビル・ウィザース(ドル札)を稼いでないフリをな。
※Dollar bills(ドル紙幣)とソウル歌手のBill Withersを掛けている。
Pulling down my zipper and she quick to say she doesn't suck
俺のジッパーを下ろしたのに、女はすぐに「フェラはしない」って言いやがる。
Bitch, cut the crap like dyke booty when they scissor (Uhh)
ビッチ、ダイク(レズビアン)のケツがシザー(ハサミ)する時みたいに、その戯言を切り捨てろ。
※cut the crap(戯言をやめろ=ウンコを切る)と、レズビアンの性行為(scissoring)を掛けた下品なジョーク。
Pink haired Mrs., I'm her mister, sipping Slurpees, bag of chips
ピンク髪のミセス、俺は彼女のミスター。スラーピーをすすって、ポテトチップスを食う。
Now show your tits for mister Fuji, take a picture (Uhh)
さあ、ミスター・フジ(富士フイルム)のために胸を見せな、写真を撮るぜ。
※カメラ・フィルムメーカーの富士フイルム(Fujifilm)とMr. Fujiを掛けている。
OF is popping like a blister, need some Listerine
OFは水ぶくれみたいに弾けてる(人気だ)、リステリンが必要だな。
Spitting got us balling like we Mr. Clean's sister (Uhh)
ラップを吐き出して、ミスター・クリーンの妹みたいにボーリン(金持ち/スキンヘッド)してるぜ。
※洗剤のキャラクター「Mr. Clean」のスキンヘッド(bald)と、金回りがいいこと(balling)を掛けている。
Sick of being black, sipping paint thinner out a tin flask
黒人でいるのにウンザリして、ブリキのフラスコからシンナーをすすってる。
Plotting on the babysitter before dinner
夕食前にベビーシッターをどう食うか企んでるんだ。
And hopefully I get her, if I don't, fuck it then
上手くヤれればいいが、ダメならまあクソくらえだ。
See I never simp son, polar opposite of Smithers, I'm done bitch
俺は絶対にシンプ(女の尻に敷かれる男)にはならねえ、スミザーズの真逆さ。これで終わりだビッチ。
※アニメ『ザ・シンプソンズ』のキャラクターであり、バーンズ社長に媚びへつらうスミザーズ(Smithers)と、Simpsonsを「Simp + son」に分解して掛けている。
[Chorus: Casey Veggies & (Tyler, the Creator)]
Until the ozone leaves and the Earth is hot
オゾン層が消え去って、地球が熱くなるまで。
Loiter Squad lurking in the parking lot
ロイター・スクワッド(たむろする軍団)が駐車場に潜んでるぜ。
※Loiter Squad=Odd Futureのメンバーたちがスケートボードをしてたむろしていた集団の名称であり、後に彼らの冠テレビ番組のタイトルにもなった。
The moon now working and the stars align
月が働き始めて、星々が一直線に並ぶ。
I stay golden, y'all thought I was out my mind
俺は黄金のままだ、お前ら俺が狂ったと思ってただろ。
(Loiter Squad lurking in the parking lot) Yeah
(ロイター・スクワッドが駐車場に潜んでるぜ)イェー。
(Loiter Squad lurking in the parking lot) Ah man
(ロイター・スクワッドが駐車場に潜んでるぜ)あぁ、なあ。
(Loiter Squad lurking in the parking lot) Ah man
(ロイター・スクワッドが駐車場に潜んでるぜ)あぁ、なあ。
(Yeah) Yeah
(イェー)イェー。
[Verse 2: Tyler, the Creator]
(Somebody told me...) I had a decline in the buzz
(誰かが言ってたぜ…)俺のバズ(話題性)が落ち目だってな。
Not a shocker bruh, I had the stun gun in my bum
ショックじゃねえよ兄弟、俺のケツにはスタンガン(ショッカー)が入ってたからな。
※shocker(衝撃的なこと)とスタンガン(電気ショック)を掛けている。
And when I drop shit you better have a towel and a sponge
俺がクソ(ヤバい曲)を落とす時は、タオルとスポンジを用意しといた方がいいぜ。
And ask Bob bitch, I eat a ton bucket of chum
スポンジ・ボブに聞いてみなビッチ、俺は大量のエサ(Chum Bucket)を食うからな。
※アニメ『スポンジ・ボブ』に登場するプランクトンのレストラン「Chum Bucket(エサバケツ亭)」の引用。
In Bikini Bottom, I am the biggest problem
ビキニタウンじゃ、俺が最大の問題児さ。
This shit fishy niggas dip like we were set in Harlem
なんか胡散臭えな、ハーレムにいるみたいにニガどもがディップ(逃げる)していくぜ。
※fishy(怪しい/魚)という海関連のワードから、NYハーレムを拠点とするヒップホップグループ「The Diplomats(通称Dipset)」へと繋いでいる。
Heaters turn them into nuggets like Carmelo Anthony
ヒーター(銃)が奴らをナゲッツ(肉塊)に変える、カーメロ・アンソニーみたいにな。
※NBAチームの「マイアミ・ヒート(Heaters=銃)」と「デンバー・ナゲッツ(Nuggets)」、そしてナゲッツでプレイしていたカーメロ・アンソニーを用いた高度なスポーツ・ワードプレイ。
We just sit and burn shit just like my fucking anthem
俺たちはただ座って、俺のクソみたいなアンセムみたいにハッパを燃やしてるだけさ。
[Verse 3: Mike G & (Tyler, The Creator)]
I'm like goals, those are something you have to stand to reach
俺は「目標」みたいなもんさ。到達するには立ち上がらなきゃならない。
My campaign speech elect me Commander in Chief
俺の選挙演説が、俺を最高司令官(大統領)に選ばせる。
Respect to whoever's minor appearances cause mass hysteria
ちょっと顔を出しただけで大パニックを起こすような奴らにはリスペクトを送るよ。
But I'm still incomparable, I'm like the face of America
でも俺は未だに比較不可能だ、まるでアメリカの顔みたいにな。
I'm the ambassador from a land made of gold
俺は黄金でできた国から来た大使だ。
I'm a fucking centerfold, I'm something to behold
俺は雑誌のセンターフォールド(見開きグラビア)だ、見惚れるような存在さ。
I can kill a hundred shows, take one for the road
100回のショーを完璧にこなして、帰り道にまた一つ奪っていく。
I'm results of putting persistent pressure on coals, (Bitch)
俺は石炭に絶え間なく圧力をかけ続けた結果(=ダイヤモンド)なんだよ、(ビッチ)。
※Mike Gらしい、冷静で滑らかなボースティング(自慢)のヴァース。
[Chorus: Casey Veggies & Tyler, The Creator]
Until the ozone leaves and the Earth is hot
オゾン層が消え去って、地球が熱くなるまで。
Loiter Squad lurking in the parking lot
ロイター・スクワッドが駐車場に潜んでるぜ。
The moon now working and the stars align
月が働き始めて、星々が一直線に並ぶ。
I stay golden, y'all thought I was out my mind
俺は黄金のままだ、お前ら俺が狂ったと思ってただろ。
Loiter Squad lurking in the parking lot (Yeah)
ロイター・スクワッドが駐車場に潜んでるぜ(イェー)
Loiter Squad lurking in the parking lot (Ah man)
ロイター・スクワッドが駐車場に潜んでるぜ(あぁ、なあ)
Loiter Squad lurking in the parking lot (Ah man)
ロイター・スクワッドが駐車場に潜んでるぜ(あぁ、なあ)
(Yeah) Yeah
(イェー)イェー。
[Verse 4: Tyler, the Creator]
It's a dog eat dog world, don't get bit bruh
ここは犬が犬を食う(食うか食われるかの)世界だ、噛まれるなよ兄弟。
A son of a bitch I am, yup, I'm a sick pup
俺はサノバビッチ(メス犬の息子)、ああ、病んだ子犬さ。
(I thought that you were nice) Yeah I am, slut
(いい人だと思ってたのに)ああ、いい人だよ、この尻軽女。
I'm also half ass a racist who hates niggas, yep, I'm a mixed mutt
俺はニガを憎む中途半端なレイシストでもある、ああ、俺は雑種の犬(ミックス)なんだよ。
'Preme is the top bunk, green is the pillow case
Supremeは二段ベッドの上段、緑色(金)が枕カバーだ。
Golf is the bed sheets (Hat and my T-shirt)
Golf Wangはベッドシーツだ(帽子とTシャツもな)。
TrashWang sticker on that Chima Fergolfson
あのチマ・ファーガソン(のスケボー)にはTrashWangのステッカーが貼ってある。
※プロスケーターのChima FergusonとGolfを掛けた造語。
I'm real with the box, and I murder with the pen
俺はボックス(ロゴ)でリアルを貫き、ペン(リリック)で殺すんだ。
It's Bimmer Boy's, boy; never swerving in the Benz
ビーマー(BMW)・ボーイズだぜ、ボーイ。ベンツで蛇行運転なんてしねえよ。
I'm listening to Dead Sam demos on the ten
10番高速道路でデッド・サムズのデモ音源を聴いてる。
※Dead Sams=アルバムのキャラクターであるSamが率いる架空のバンド。
Can I get a medium with cheese and bacon?
チーズとベーコン入りのMサイズをもらえるか?
※ドライブスルーでの注文の描写。
It's Loiter Squad nigga...
これがロイター・スクワッドだぜ、ニガ…
[Outro]
Fucking Loiter Squad...
クソヤバいロイター・スクワッドだ…
(That shit was fucking crazy)
(今のマジでクソヤバかったな)
Yeah
ああ。
(Damn)
(すげえよ)
[Skit]
Yo, Wolf, nigga
「ヨー、ウルフ、ニガ」
※ここからアルバムのストーリーラインが進行する。友人が走って主人公Wolfに駆け寄る。
What? Why are you running?
「何だ? なんで走ってんだ?」
Sam's after you
「サムがお前を追ってる!」
Sam's after who?
「サムが誰を追ってるって?」
You!
「お前だよ!」
For what? What the fuck?
「何のために? 一体どういうことだ?」
He found out that you and Salem been hanging out, he said he gonna kill you
「お前とセーラムが一緒にいたことがバレたんだ、あいつお前を殺すって言ってたぞ」
Kill me? What the fuck you mean kill me?
「俺を殺す? 殺すってどういう意味だよ?」
You got a booger in your nose
「お前、鼻くそついてるぞ」
※シリアスな場面で突如差し込まれるタイラーらしい脱力系のジョーク。
What the, wait, slow down, wait, slow down, what the fuck you mean he gonna kill me?
「何だと、待て、落ち着け、ちょっと待て。あいつが俺を殺すってどういうことだ?」
I don't know, he just said he gonna kill you
「知らねえよ、ただお前を殺すって言ってたんだよ」
Not if I get to him fir-
「俺が先にヤツを仕留めればな…」
※Wolfが防衛(あるいは先制攻撃)を決意し言葉が途切れる。この対立が、次曲以降のクライマックスへと直結していく。
