Artist: Tyler, The Creator
Album: Goblin
Song Title: Transylvania
概要
本作は、タイラー・ザ・クリエイターのデビューアルバム『Goblin』(2011年)に収録された、ホラーコアとダークユーモアが極まった一曲である。プロデュースはOdd Futureの盟友レフト・ブレイン(Left Brain)が手掛け、不気味でミニマルなベースラインが特徴的だ。タイラーは自身の別人格「ウルフ・ヘイリー(Wolf Haley)」を吸血鬼ドラキュラに見立て、女性に対する猟奇的な妄想や暴力的なファンタジーをコミカルかつグロテスクに描き出している。映画『羊たちの沈黙』やドラマ『バフィー 〜恋する十字架〜』などのポップカルチャーを引用しつつ、過激なリリックでメインストリームの倫理観を挑発する、初期Odd Futureの悪趣味でパンクな精神性が凝縮されたカルト的な楽曲である。
和訳
[Intro]
Left Brain, Wolf Haley
レフト・ブレイン、ウルフ・ヘイリーだ。
※Left Brain=本曲のプロデューサーでありOdd Futureのメンバー。Wolf Haley=タイラーの狂気的な別人格(オルター・エゴ)。
Golf Wang, Free Earl, uh
ゴルフ・ワン、アールを解放しろ。
※Golf Wang=Odd Future(Wolf Gang)のアナグラム。Free Earl=当時、母親によってサモアの更生施設に送られていたメンバーのアール・スウェットシャツ(Earl Sweatshirt)の帰還を求める、クルーのスローガンである。
[Verse 1]
Goddamn, I love women
くそっ、俺は女が大好きだ。
Daydream about penis being in 'em
そいつらの中に俺のイチモツをぶち込む妄想をしてる。
Meet them with a big grin with a MAC-10
満面の笑みでMAC-10を持って会いに行くんだ。
※MAC-10=小型のサブマシンガン。シリアルキラーのような猟奇的なアプローチを描写している。
Rope, katana, and then I skin 'em
ロープに日本刀、それから女どもの皮を剥いでやる。
All beige suit made out of white women
白人の女たちで作った、全身ベージュのスーツを着てな。
※映画『羊たちの沈黙』に登場する連続殺人鬼バッファロー・ビルや、実在の猟奇殺人鬼エド・ゲインを彷彿とさせるグロテスクなオマージュである。
With the red lipstick, dancing to John Lennon
赤いリップを塗って、ジョン・レノンの曲で踊るんだ。
With the red splattered jeans made out of blue denim
ブルーデニムで作ったジーンズには、赤い血が飛び散ってるぜ。
They can catch me in the spot where the sun don't shine
太陽の光が届かない場所に行けば、俺を見つけられるぜ。
※「where the sun don't shine(日が当たらない場所)」は、吸血鬼であるドラキュラの隠れ家を指すとともに、尻の穴(女性の股間)を意味するスラングのダブルミーニングである。
Bitch, don't mind me, shake your hiney!
ビッチ、俺のことは気にすんな、そのケツを振れよ!
※hiney=お尻を指すスラング。
The only motherfucking Wolf here that spit venom
ここで毒を吐くクソヤバい狼は俺だけだ。
※Wolf=自身の別名Wolf Haleyと、吸血鬼に関連するモンスターである狼男を掛けている。
You're a bad bitch with a real good kitten
お前はイケてるビッチで、極上の子猫ちゃん(プッシー)を持ってる。
※kitten=子猫。女性器(pussy)の暗喩である。
And I got the appetite of them fat black women
そして俺は、あの太った黒人女たちみたいな食欲があるんだよ。
Wolf Gang in this bitch with a bunch of rats with 'em
ウルフ・ギャングのお出ましだ、ネズミの群れを引き連れてな。
※rats=ストリートのスラングで「ビッチ」や「裏切り者」を指すが、ここではドラキュラの地下室に群がる本物のネズミも示唆している。
Lookin' like the holocaust with Supreme hats with 'em
Supremeのハットを被って、まるでホロコーストみたいな有様だぜ。
※ホロコーストという不謹慎なワードを用い、Odd Futureの破壊的な勢いを表現している。Supremeは彼らの象徴的な愛用ブランド。
I am tryna get Miss Piggy by the motherfucking hairs of her chinny-chin-chin
ミス・ピギーの顎の毛を掴んで捕まえてやるよ。
※Miss Piggy=番組『マペット・ショー』の豚のキャラクター。「by the hairs of her chinny-chin-chin」は童話『三匹の子豚』の狼のセリフからの引用である。
Umm, what's that? The cock of a black dude
あぁ、それは何だ? 黒人の男のディックか。
Mad 'cause his daughter got the swag of a vacuum (Aw, fuck it!)
娘が掃除機みたいなスワッグを持ってるからって怒ってやがる(あぁ、クソくらえ!)
※swag of a vacuum=「掃除機のような魅力」、つまり「吸引力がすごい=オーラルセックスが上手い」という下品なジョーク。父親がそれに激怒している様子を描いている。
I'll take her to the back room dungeon, fightin' and punchin'
その娘を奥の地下牢に連れ込んで、殴り合いの喧嘩をしてやる。
And now the slut is under the fucking assumption
そして今、その尻軽女はこんなクソみたいな思い込みをしてやがる。
That I will be fucking and munchin' her muffin
俺がヤッて、彼女のマフィン(アソコ)を舐め回してくれるだろうってな。
※muffin=女性器を指すスラング。
Cunt will be bleeding, but that's not from the
そいつの割れ目からは血が流れるだろうが、それは、
Time signature of the month, umm
月に一度のあの日(生理)のせいじゃねえよ、あぁ。
※Time signature of the month=「月の拍子」つまり月経(period)の婉曲表現。血が出るのは生理だからではなく、自分が暴力を振るうからだという残虐なパンチラインである。
[Chorus]
(It's because) I'm Dracula, bitch!
(なぜなら)俺はドラキュラだからだ、ビッチ!
Don't got a problem smackin' a bitch
ビッチを引っ叩くのなんて朝飯前だ。
Kidnappin', attacking, with axes and shit
誘拐して、斧なんかで襲撃してやる。
'Til I grab them throats and start smacking them shits
あいつらの喉を掴んで、力一杯引っ叩き始めるまでな。
(It's because) I'm Dracula, bitch!
(なぜなら)俺はドラキュラだからだ、ビッチ!
Don't got a problem smackin' a bitch
ビッチを引っ叩くのなんて朝飯前だ。
Kidnappin', attacking, with axes and shits
誘拐して、斧なんかで襲撃してやる。
'Til she decides to take Dracula's dick
あいつがドラキュラのディックを受け入れると決めるまでな。
[Verse 2]
Goddamn, I love bitches
くそっ、俺はビッチどもが大好きだ。
Especially when they only suck dick and wash dishes (What?)
特に、ディックをしゃぶって皿洗いだけするような女がな(何だって?)
※わざと極端に女性蔑視的なステレオタイプを描写し、リスナーやメディアを意図的に挑発している。
Cook and clean and grant my wishes
料理と掃除をして、俺の願いを叶えてくれる。
And make me and the Wolf Gang sandwiches
そして俺とウルフ・ギャングのためにサンドイッチを作ってくれる女だ。
Transylvania crypt, let's take a tour
トランシルバニアの地下墓地、さあツアーに出かけようぜ。
※Transylvania=ルーマニアの地名であり、吸血鬼ドラキュラ伝説の舞台として有名。
Bitch, try getting through that black trap door
ビッチ、あの黒い落とし戸を通り抜けてみろよ。
Keep yellin' and workin' them vocal chords
そのまま叫び続けて、その声帯をフル稼働させな。
And that'll be more of a reason that you get slapped up for
それが、お前がさらにビンタされる理由になるからよ。
Is that Ford trunk's comfy? (Fuck you!)
フォードの車のトランクは快適か?(クソ野郎!)
Fuck me? No, fuck Buffy!
俺がクソだって? いや、バフィーこそクソ喰らえだ!
※Buffy=アメリカの人気ドラマ『バフィー 〜恋する十字架〜(Buffy the Vampire Slayer)』の主人公。吸血鬼退治を生業とする彼女を敵視している。
That little bitch keeps trying to hunt me
あの小娘、俺を狩ろうとしつこく追ってきやがる。
Jumping over gates, what the fuck she want from me?
門を飛び越えてまで、俺から一体何を奪いたいってんだ?
She keeps sendin' me garlic
あいつ、俺にニンニクばかり送りつけてきやがる。
How many times I gotta tell her I'm allergic?!
俺はアレルギーだって、何度言えばわかるんだよ!
※吸血鬼の弱点であるニンニクを、現代風に「アレルギー」と表現するコミカルなライン。
(I like your cape!) Oh, this Bathing Ape cape?
(そのマント、素敵ね!)あぁ、このBathing Apeのマントのことか?
※Bathing Ape=NIGOが創立した日本のストリートブランド。
Bitch, I got it for a bargain at the neighborhood Target
ビッチ、これは近所のTargetのセールで安く手に入れたんだぜ。
※Target=アメリカの大手ディスカウントスーパー。高級ストリートブランドのアイテムがTargetで売っているはずがなく、タイラー流のふざけたジョークである。
Fangs are sharp, and I hope you know
牙は鋭いぜ。お前に分かっていてほしいのは、
That all I really want from you is that throat
俺がお前に本当に求めているのは、その喉元だけだってことだ。
※吸血鬼として血を吸う首筋(喉元)と、オーラルセックス(Deep throat)を掛けている。
I can't eat pussy 'cause I might leave cuts
プッシーを食べる(クンニする)ことはできねえ、切り傷を残しちまうかもしれないからな。
Then there's blood on my sheets, but that might be a plus
そしたらシーツに血がつくが、まあ、それはそれでプラスかもしれないぜ。
On the channel, a fucking animal, leaking like pairs of candles
チャンネルの中じゃ、クソみたいなケダモノが、二本のロウソクみたいに垂れ流してる。
※蝋燭が溶けるようにおびただしい血(あるいは体液)が流れる、スプラッター映画のような情景の描写。
Bitch, is it hard to handle?
ビッチ、対処するのは難しいか?
I don't want a bride, I just want bone marrow (Oh, shit!)
俺は花嫁なんていらねえ、ただ骨髄が欲しいだけだ(あぁ、クソ!)
※吸血鬼の範疇を超越して、カニバリズム(食人)的な欲求を露わにしている。
[Chorus]
(It's because) Umm, I'm Dracula, bitch!
(なぜなら)うーん、俺はドラキュラだからだ、ビッチ!
Don't got a problem smackin' a bitch
ビッチを引っ叩くのなんて朝飯前だ。
Kidnappin', attacking, with axes and shit
誘拐して、斧なんかで襲撃してやる。
'Til I grab them throats and start smackin' them shits
あいつらの喉を掴んで、力一杯引っ叩き始めるまでな。
(It's because) I'm Dracula, bitch!
(なぜなら)俺はドラキュラだからだ、ビッチ!
Don't got a problem smackin' a bitch
ビッチを引っ叩くのなんて朝飯前だ。
Kidnappin', attacking, with axes and shits
誘拐して、斧なんかで襲撃してやる。
'Til she decides to take Dracula's dick
あいつがドラキュラのディックを受け入れると決めるまでな。
[Outro]
Bite her in her fucking neck, bite her in her fucking neck
あいつのクソみたいな首に噛みつけ、あいつのクソみたいな首に噛みつけ。
Bottom of the fucking lake, bottom of the fucking lake
クソみたいな湖の底だ、クソみたいな湖の底に沈めろ。
Call my gang of wolves and bats, call my gang of wolves and bats
俺の狼とコウモリのギャングを呼べ、狼とコウモリのギャングを呼ぶんだ。
※wolves and bats=吸血鬼が使役する動物であり、Odd Future(Wolf Gang)のメンバーたちを重ね合わせている。
It’s a full moon tonight, and these hoes ain't actin' right
今夜は満月だ。そしてこのビッチどもはちゃんとした振る舞いができてねえ。
(It's because) 'Cause I'm Dracula, bitch! (Swag, swag, swag)
(なぜなら)俺はドラキュラだからだ、ビッチ!(スワッグ、スワッグ、スワッグ)
(It's because) Left Brain, Wolf Haley, Free Earl, Golf Wang
(なぜなら)レフト・ブレイン、ウルフ・ヘイリー、アールを解放しろ、ゴルフ・ワン。
Golf Wang, Golf Wang, Golf Wang
ゴルフ・ワン、ゴルフ・ワン、ゴルフ・ワン。
It's the fucking (Golf Wang)
クソったれな(ゴルフ・ワン)だ。
It's the fucking (Golf Wang)
クソったれな(ゴルフ・ワン)だ。
I am from the (Golf Wang)
俺の出身は(ゴルフ・ワン)だぜ。
Nigga, this is (Golf Wang)
ニガ、これが(ゴルフ・ワン)だ。
Fucking faggot (Golf Wang!)
クソみたいなオカマ野郎ども(ゴルフ・ワン!)
Kill them bitches (Golf Wang!)
あのビッチどもを殺せ(ゴルフ・ワン!)
There's no one like us (Golf Wang!)
俺たちみたいな奴らは他にいないぜ(ゴルフ・ワン!)
Fucking niggas, I am from the (Golf Wang)
クソニガども、俺の出身は(ゴルフ・ワン)だぜ。
Golf Wang!
ゴルフ・ワン!
