Artist: Harry Styles
Album: Kiss All The Time. Disco, Occasionally.
Song Title: Aperture
概要
本作は、ベルリンのハンザ・スタジオでキッド・ハープーンと共に制作された意欲作『Kiss All The Time. Disco, Occasionally.』の核をなす楽曲だ。これまでのフォーク・ロック的なアプローチから一転、クラフトワークを彷彿とさせるミニマルなエレクトロニクスと、ジョルジオ・モロダー風のディスコ・ビートを融合させている。タイトルの「Aperture(絞り)」はカメラの機構を指すが、ここでは自己の脆弱性をさらけ出し、真実という名の「光」を取り込むプロセスをメタフォリックに表現している。スターダムの喧騒から逃れ、ベルリンの夜に没入する中で見出した、実存的な問いと愛への渇望が交錯するダンス・アンセムである。
和訳
[Verse 1]
Take no prisoners for me
僕に容赦なんてしないでほしいな
I'm told you're elevating
君はどんどん高みへ登っているらしいね
Drinks go straight to my knees
お酒がすぐに足にきちゃって、立っていられないよ
※「Go straight to my knees(膝にくる)」という表現は、酒が回って力が抜ける様子と、圧倒的な存在に屈服するダブルミーニングである。
I'm sold, I'm going on clean
もう降参さ、これからは潔白に生きていくよ
I'm going on clean
真っさらな自分に戻るんだ
[Verse 2]
I've no more tricks up my sleeve
袖の中に隠した手品は、もう種切れさ
※「Tricks up my sleeve」は手品や隠し事の意。アイドル時代のイメージ戦略や、メディア向けの「演じられた自分」を脱ぎ捨てる決意を示唆している。
Game called review the player
「プレイヤーを再評価する」っていうゲームさ
Time codes and Tokyo scenes
タイムコードと、東京の景色
※ハリーが頻繁に訪れ、インスピレーションの源としている日本(東京)への言及。多忙なツアー生活の中で切り取られた断片的な記憶を「Time codes」と呼んでいる。
Bad boys, it's complicated
「バッド・ボーイズ」なんて、一言じゃ言えないよね
※かつてのグループ時代のパブリックイメージや、メディアが作り上げた「遊び人」というレッテルに対する皮肉混じりの吐露である。
It's complicated
本当に、複雑なんだ
[Pre-Chorus]
It's best you know what you don't
知らないということを知るのが、一番いいのさ
Aperture lets the light in
カメラの絞りを開ければ、光が差し込んでくる
※ソクラテスの「無知の知」のような哲学的命題と、カメラの「絞り(Aperture)」を対比させている。心をオープンにすることでしか得られない救いがあることを表現している。
It's best you know what you don't
何を知らないかを知っているのが、一番いいんだ
Aperture lets the light in
そうすれば、光が入ってくるから
[Chorus]
We belong together
僕たちは一緒になるべきなんだ
It finally appears it's only love
結局のところ、愛だけなんだって分かったよ
※ダンスフロアの恍惚感の中で辿り着いた、シンプルかつ究極の真理。「It finally appears(ついに現れる)」という言葉に、レンズのピントが合うようなニュアンスを込めている。
We belong together
僕たちは結ばれているんだね
We belong together
二人でひとつなんだ
It finally appears it's only love
結局、愛しかなかったんだよ
We belong together
僕たちはあるべき場所にいるんだ
[Verse 3]
In no good state to receive
何かを受け入れるには、あまりいい状態じゃないけれど
Go forth, ask questions later
前へ進もう、質問は後回しでいいさ
Trap doors, you're toying with me
落とし穴だらけ、君は僕を翻弄するんだね
Dance halls, another cadence
ダンスホール、また違うリズムが聞こえるよ
※ベルリンのクラブカルチャーを象徴するフレーズ。「Cadence(ケイデンス)」は音楽的なリズムだけでなく、生活の歩調や変化を暗示している。
[Pre-Chorus]
It's best you know what you don't
知らないことを自覚するのが、一番いいのさ
Aperture lets the light in
絞りを開けて、光を迎え入れよう
[Chorus]
We belong together
僕たちは一緒なんだ
It finally appears it's only love
結局、すべては愛なんだって気づいたよ
We belong together
僕たちは結ばれているんだ
It finally appears
ようやく見えてきたよ
We belong together
離れられない運命なんだ
It finally appears it's only love
最後には愛だけが残るんだね
We belong together
僕たちは一緒さ
[Bridge]
I won't stray from it
もう、この道から逸れたりしないよ
I don't know these spaces
初めての場所ばかりで戸惑うけれど
Time won't wait on me
時間は僕を待ってはくれないから
I wanna know what safe is
何が「安全」なのかを知りたいんだ
※『Harry's House』から続く「Home(居場所)」や「Safe space(安らげる場所)」というテーマの延長線上にある歌詞。名声の影で常に感じていた不安からの脱却を願っている。
I won't stray from it
迷わずに進むよ
I don't know these spaces
知らない景色が広がっているけれど
Time won't wait on me
時間は過ぎ去っていく
I won't stray from it
逸れずにいくよ
I don't know these spaces
見知らぬ場所だけど
Time won't wait on me
時間は待ってくれない
I wanna know what safe is
本当の安らぎがどこにあるのか、知りたいんだ
I won't stray from it
もう迷わない
I don't know these spaces
この空間のことはよく知らないけれど
Time won't wait on me
時間は止まってくれないから
[Chorus]
We belong together
僕たちは一緒なんだ
It finally appears it's only love
結局、愛だけなんだって分かったんだよ
We belong together
僕たちは結ばれている
It finally appears
ついに見えたんだ
We belong together
僕たちは一緒さ
It finally appears it's only love
最後には、愛だけが残るんだね
We belong together
僕たちはあるべき場所にいるんだ
