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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Nas Morales - Metro Boomin & Nas 【和訳・解説】

Artist: Metro Boomin & Nas

Album: METRO BOOMIN PRESENTS SPIDER-MAN: ACROSS THE SPIDER-VERSE

Song Title: Nas Morales

概要

映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』のサウンドトラックに収録された、ニューヨーク・クイーンズが生んだヒップホップ界の生ける伝説Nasと、稀代のプロデューサーMetro Boominによる珠玉のコラボレーション楽曲だ。タイトル「Nas Morales(ナズ・モラレス)」が示す通り、主人公マイルス・モラレスの境遇と、ヒップホップシーンの頂点に君臨し続けるNas自身のキャリアが巧みに重ね合わされている。周囲からの過剰な期待やヘイターからの嫉妬に晒されながらも、己の能力を信じて我が道を突き進む孤高の姿を描写。ティンバーランドのブーツや「Knowledge, Wisdom」といったNas特有の土着的なニューヨーク・ヒップホップの美学が、アメコミの世界観と見事に融合したマスターピースである。

和訳

[Chorus]
Shoot a web
クモの糸を放つぜ

Glidin' through the sky, through the air
空を、大気を滑空していく

Dancin' through the buildings, Fred Astaire
ビルの間を踊るように抜けていく、フレッド・アステアみたいにな
※Fred Astaireは往年のハリウッドを代表する伝説的ミュージカル俳優・ダンサー。スパイダーマンの空中での優雅な身のこなしを彼の華麗なステップに例えている。

Bunch of skyscrapers everywhere
どこを見渡しても摩天楼だらけさ

[Verse 1]
I'm just flexin' my ability
俺はただ自分の能力(アビリティ)を見せつけてるだけさ

Sick and tired of humility
謙遜し続けるのにもウンザリだ

Can't believe that they would hate on me
奴らが俺をヘイトするなんて信じられねえよ

For being me, I face a penalty
ありのままの俺でいるだけで、ペナルティを食らうんだからな
※他のスパイダーマン達と異なる存在(アノマリー)として迫害されるマイルスの苦悩と、シーンのトップにいるがゆえに批判を浴びやすいNas自身の境遇をリンクさせている。

They expect so much from me, it sucks for me, lucky me
周りの期待がデカすぎて最悪な気分さ、でも幸運なことでもある

I'm just flyin' through the sky sucker-free
サッカーども(偽物)がいない空を、俺はただ飛んでるのさ
※sucker-freeは「偽物や嫌な奴らがいない」状態を示すストリートスラング。

I'm just up above the city streets
街の通りのずっと上、高く舞い上がって

Climbin' walls at a different speed
次元が違うスピードで壁をよじ登るんだ

Miles Morales, miles-per-hours
マイルス・モラレス、マイル毎時のスピードでな
※主人公の名前(Miles)と速度の単位(miles-per-hour)を掛けたワードプレイ。

Take a dive, surf the towers
ダイブして、タワーの波をサーフィンするぜ

Late at night, scary hours
深夜の恐ろしい時間帯(スケアリー・アワーズ)

Superpowers, 'preciate the flowers
スーパーパワーを持ってる、称賛の花束には感謝するぜ
※give/appreciate flowersは「(生きているうちに)敬意や称賛を送る・受け取る」というヒップホップシーンでよく使われる表現。

[Chorus]
Shoot a web
クモの糸を放つぜ

Glidin' through the sky, through the air
空を、大気を滑空していく

Dancin' through the buildings, Fred Astaire
ビルの間を踊るように抜けていく、フレッド・アステアみたいにな

Bunch of skyscrapers everywhere
どこを見渡しても摩天楼だらけさ

[Verse 2]
Nobody looks up no more, so it's easy to slide through
今じゃ誰も上を見上げようとしない、だからすり抜けるのは簡単だ
※人々がスマートフォンの画面ばかり見て下を向いている現代社会への風刺であり、空を飛ぶスパイダーマンに気づかない理由を描写している。

They can't tell if the sky's blue
空が青いかどうかも分かっちゃいない

True, nobody looks up no more (Woo)
マジで、誰も上を見上げないんだ(ウー)

I'm confused why they choose not to see it the way I do
どうして俺と同じように景色を見ようとしないのか、理解できねえよ

I move with my mind different, nonsense is not stickin'
俺は違う次元のマインドで動いてる、ナンセンスな事には囚われねえ

Rhymes hittin', knowledge, wisdom, Nas different
ライムが突き刺さる、「知識(ナレッジ)」と「知恵(ウィズダム)」、Nasは別格さ
※Knowledge, Wisdomは、Nasが傾倒する「5パーセント・ネイション」の教義における重要なキーワード。ニューヨークのヒップホップに深く根付く概念である。

Spidey-senses tinglin', swingin' from New England out to England (Woo)
スパイダーセンスがウズウズしてる、ニューイングランドからイギリス(イングランド)までスイングしてやるぜ(ウー)

Flips and somersaults like the brothers from Ringling
リングリング兄弟みたいにフリップや宙返りをキメてな
※Ringling(リングリング・ブラザーズ)は、アメリカで一世を風靡した巨大サーカス団。空中ブランコや曲芸の比喩。

Jump from a hundred feet and land on my feet (Yeah)
100フィートの高さからジャンプしても、見事に両足で着地するぜ(イェー)

Timbs'll make the cipher complete, a sight to see (Ow)
ティンバーランドがサイファーを完成させる、見ものだぜ(アウ)
※Timbs(ティンバーランドのブーツ)はニューヨークのストリートカルチャーの象徴。cipher(サイファー)はラッパーたちが輪になってフリースタイルをする空間を指す。NYのスパイダーマン像を完璧に描き出している。

New Yorkin' (Yeah) too often (Woo)
ニューヨークらしさ全開で(イェー)、いつだってな(ウー)

Fools rushin', we walkin', I'm done talkin'
愚か者たちは急ぎ足だが、俺たちは堂々と歩く、もう話すことはねえよ

[Outro]
Nobody looks up no more
もう誰も、上を見上げようとはしない

Nobody looks up no more
もう誰も、上を見上げようとはしない

 

Nas Morales

Nas Morales

  • Metro Boomin & Nas
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes