UGMKM

Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Don’t Come Out the House - Metro Boomin (feat. 21 Savage) 【和訳・解説】

Artist: Metro Boomin (feat. 21 Savage)

Album: NOT ALL HEROES WEAR CAPES

Song Title: Don’t Come Out the House

概要

本作は、Metro Boominの2018年の大ヒットアルバム『NOT ALL HEROES WEAR CAPES』に収録された、アトランタの盟友21 Savageを客演に迎えた一曲だ。楽曲の最大の特徴は、21 Savageが不気味なほどのウィスパーボイス(囁き声)でバースを開始し、途中で「ずっと囁いてると思ったか?」と突然本来の攻撃的なフロウへと切り替わるスリリングな展開にある。このASMR的な手法はリスナーに衝撃を与え、SNSやミームでも大きな話題を呼んだ。リリックでは、彼が育ったアトランタ・ゾーン6の過酷なストリート事情(Glenwood Road)や、極貧から這い上がったバックグラウンド、そして敵対者(オップ)に対する容赦ない暴力性が冷酷に描かれている。Metro Boominのダークなトラップビートに、メンフィス出身のプロデューサーTay Keithのバウンシーなドラムが加わり、不穏さと爆発力が同居するヒップホップ・シーン屈指のバンガーである。

和訳

[Chorus: 21 Savage]
Bang outside, I hang outside
外で撃ち合い、外でたむろしてるぜ。
※Bang outside=銃を撃ち合う(gang banging)というストリートの過酷な環境を示している。

Don't come out the house 'cause the gang outside
家から出るんじゃねえぞ、ギャングが外にいるからな。

Bang outside, I hang outside
外で撃ち合い、外でたむろしてるぜ。

Don't come out the house 'cause the gang outside
家から出るんじゃねえぞ、ギャングが外にいるからな。

Bang outside, hang outside
外で撃ち合い、外でたむろしてるぜ。

Don't come out the house 'cause the gang outside
家から出るんじゃねえぞ、ギャングが外にいるからな。

Bang outside, hang outside
外で撃ち合い、外でたむろしてるぜ。

Don't come out the house 'cause the gang outside
家から出るんじゃねえぞ、ギャングが外にいるからな。

[Verse 1: 21 Savage]
13, got my first stripe, nigga (First stripe)
13歳で、初めてのストライプ(勲章)を手に入れたんだ(初のストライプ)。
※stripe=ギャング界隈で実績を上げる(銃撃や強盗など)ことで得られる「階級章」や「勲章」の比喩。

Glenwood Road, where they shiest', nigga
グレンウッド・ロード、あそこはヤバい奴らばかりだ。
※Glenwood Road=21 Savageが育ったアトランタ東部の悪名高いストリート。shiest (shiesty)=信用できない、狡猾で危険な奴を意味するスラング。

Slaughter Gang so I keep a knife, nigga
俺はスローター・ギャングだ、だから常にナイフを隠し持ってる。
※Slaughter Gang=21 Savageが率いるクルー。彼の額に入っているタトゥーの通り、ナイフ(刃物)が彼らのシンボルである。

We was broke so all we ate was rice, nigga
俺らは文無しだったから、毎日米ばっか食ってた。

Paid the J's to cut on my mama's lights, nigga
ヤク中に金を払って、母さんの家の電気を繋いでもらってたんだ。
※J's=Junkies(麻薬中毒者)。貧困で電気を止められていたため、わずかな金で違法に配線をいじれる地元のジャンキーに頼んで電気を復旧させていたという過酷な過去の描写。

Come get your bitch, she tryna spend the night, nigga (Straight up)
お前の女を迎えに来な、俺の家で夜を明かそうとしてやがるぜ(マジで)。

You a bitch, that make her a dyke, nigga (Pussy)
お前がビッチ(女)みてえな奴だから、あいつはレズビアンになっちまったんだろ(プッシー)。
※敵の男を「女々しい」と侮辱し、その彼女と寝ることは実質「女性同士の行為(dyke=レズビアンの蔑称)」だと嘲笑する痛烈なパンチライン。

All these bodies, I can't sleep at night, nigga
死体を積み重ねすぎて、夜も眠れねえよ。
※bodies=殺害した人数(キルカウント)。

Y'all must thought that I was gon' whisper the whole time (21)
お前ら、俺が最後まで囁き続けるとでも思ったか?(21)
※ここまで囁き声(ウィスパーボイス)でラップしていた21 Savageが、突如として通常の声量と攻撃的なフロウに切り替わる楽曲のハイライト。

I ran out of weed, I sent your bitch out of town (On God)
ハッパが切れたから、お前の女を街の外へパシリに出した(神に誓って)。

Gave her fifteen hundred and she came back with pounds (Straight up)
1500ドル渡したら、何ポンドもブツを抱えて戻ってきたぜ(マジで)。

Rappers think they it, but they really just clowns (On God)
ラッパーどもは自分らがイケてると思ってるが、実際はただのピエロだ(神に誓って)。

Gucci store, a hundred thou', that's just in a day (On God)
グッチの店で10万ドル、たった1日でそれだけ使うぜ(神に誓って)。
※a hundred thou'=10万ドル(現在のレートで約1500万円)。圧倒的な財力を誇示している。

Always cheatin', I'm a dog, think I need a cage (On God)
いつも浮気してる、俺は犬(女たらし)だ、檻に入れられなきゃな(神に誓って)。
※dog=好色な男、女たらしを指すスラング。犬だから「檻(cage)」が必要だと掛けている。

Savage loaded, chips and dip, I'm not talkin' 'bout Lays (21)
サヴェージは金を持ってる(装填済みだ)、チップスとディップ、レイズのポテチのことじゃねえぞ(21)。
※loaded=「金持ちである」と「銃に弾が装填されている」のダブルミーニング。chips=金、dip=さっさと立ち去る。Lays(大手ポテトチップスブランド)のディップソースではないと否定し、ストリートの隠語であることを強調している秀逸なワードプレイ。

Throwback Rafs, call 'em retros, I'm not talkin' 'bout J's (21)
昔のラフ・シモンズ、それをレトロと呼ぶんだ、ジョーダンのことじゃねえよ(21)。
※Rafs=高級ブランドRaf Simonsのスニーカー。J's=ナイキのエア・ジョーダン。一般的なスニーカーヘッズがジョーダンの復刻版(レトロ)をありがたがる中、ハイブランドのヴィンテージを着こなす優越感を示している。

First name 21, last name Hefner, I got too many freaks (21)
ファーストネームは21、ラストネームはヘフナー、俺にはヤバい女が多すぎる(21)。
※Hefner=雑誌『PLAYBOY』の創刊者で、多数の美女を侍らせていたヒュー・ヘフナー(Hugh Hefner)のこと。

Levi jeans, low self-esteem, he on BlackPeopleMeet (21)
リーバイスのジーンズ履いて、自尊心が低い奴、あいつはBlackPeopleMeetで女を探してる(21)。
※BlackPeopleMeet=黒人向けの出会い系サイト。ダサい格好をしてネットでしか女を見つけられない非モテの男を小馬鹿にしている。

Look like Mýa, she's on fire, who got the keys to my Jeep? (Straight up)
マイアみたいなルックス、イイ女だ、「俺のジープの鍵を持ってるのは誰?」(マジで)。
※Mýa=90〜00年代に活躍したR&Bシンガー。後半のフレーズは、Beenie Manのヒット曲「Who Am I (Sim Simma)」の有名なライン「Who got the keys to my Bimmer?」や、Missy Elliott「The Rain」などを連想させる過去のクラシックへのオマージュ。

Who want smoke 'cause I want smoke, I had a wet dream about beef (21)
揉め事を望んでるのは誰だ?こっちから願い下げだ、ビーフ(抗争)の夢を見て夢精しちまったよ(21)。
※smoke / beef=どちらも銃撃戦や抗争、揉め事を指すスラング。暴力への異常なまでの執着を「夢精(wet dream)」に例える狂気的なライン。

[Chorus: 21 Savage]
Bang outside, hang outside
外で撃ち合い、外でたむろしてるぜ。

Don't come out the house 'cause the gang outside
家から出るんじゃねえぞ、ギャングが外にいるからな。

Bang outside, I hang outside
外で撃ち合い、外でたむろしてるぜ。

Don't come out the house 'cause the gang outside
家から出るんじゃねえぞ、ギャングが外にいるからな。

[Verse 2: 21 Savage]
Kids see my car, they get to playin' Bingo (Skrrt skrrt)
ガキどもが俺の車を見ると、ビンゴ遊びを始めやがる(スカートスカート)。
※アメリカの子供たちが車に乗っている時に遊ぶ「カー・ビンゴ(特定の車を見つけるゲーム)」のこと。21 Savageの乗っているスーパーカーがそれだけ目立つレアな車であることを示している。

Off-brand rappers stealin' all the lingo (I did that first)
無名の三流ラッパーどもが、俺のスラングをパクってやがる(俺が先にやったんだよ)。

Thirty on my hip, the label want a single (On God)
腰に30発入りの銃を挿してる、レーベルはシングル曲を出せってうるさいがな(神に誓って)。
※Thirty=30発の拡張マガジンを装填した銃。single=音楽レーベルがヒットを狙う「シングル曲」と、銃の「単発撃ち」を掛けている。

I green light hits, I don't make jingles (Straight up)
俺はヒット(暗殺)にゴーサインを出すんだ、CMのジングルなんか作らねえよ(マジで)。
※green light=暗殺の許可を出すこと。hits=音楽の「ヒット曲」と「暗殺(hit)」のダブルミーニング。

Shut your damn mouth 'fore you drop, nigga (Drop, nigga)
殺される前に、そのクソみたいな口を閉じな(殺されるぞ)。
※drop=(銃で撃たれて)倒れる、死ぬこと。

Last nigga dissed me, he dropped, nigga (Straight up)
俺をディスった前の奴は、ぶっ倒れた(死んだ)ぜ(マジで)。

I want smoke, nigga, all, nigga (On God)
揉め事が欲しいんだよ、全部持ってこい(神に誓って)。

Savage kill all of his opps, nigga (21)
サヴェージは敵を皆殺しにするんだ(21)。
※opps=oppositionの略で、敵対するギャングやヘイターのこと。

Smoke the mall last week, ball nigga (21)
先週はモールでド派手に金を使ってやった、豪遊だぜ(21)。
※smoke the mall=ショッピングモールで大金を使って買い物をしまくることを指すスラング。

Slaughter Gang, yeah, we brawl, nigga (Straight up)
スローター・ギャング、ああ、俺らは大乱闘するぜ(マジで)。

4L Gang, lot of shots, nigga
4Lギャング、銃弾の雨を降らせてやる。
※4L=21 Savageの所属するクルー。4 Life(一生)を意味し、ギャングへの絶対的な忠誠を示す。

Savage kill all of his opps, nigga (Pussy)
サヴェージは敵を皆殺しにするんだ(プッシー)。

[Outro: Lil Juice & Future]
If Young Metro don't trust you, I'm gon' shoot you
もしヤング・メトロがお前を信用しないなら、俺がお前を撃つ。
※Futureの声による、世界で最も有名なプロデューサー・タグの一つ。

Tay Keith, fuck these niggas up
テイ・キース、こいつらをぶっ飛ばしてやれ。
※共同プロデューサーであるTay Keithのタグ。彼特有のメンフィス・バウンスなドラムパターンが後半の展開を支えている。