Artist: Pink Floyd
Album: More
Song Title: Party Sequence
概要
1969年発表の映画サウンドトラック『モア(More)』に収録された、わずか1分強の短いインストゥルメンタル楽曲である。タイトルが示す通り、映画の舞台であるスペイン・イビザ島で、ヒッピーたちが狂騒的なパーティに興じるシーンのために制作された。ニック・メイソンによるトライバルなボンゴの乱れ打ちと、当時の彼の妻であったリンディ・メイソンが吹くティン・ホイッスル(ペニー・ホイッスル)の素朴な音色が交差し、原始的で異国情緒あふれる祝祭空間を作り出している。ドラッグに溺れる若者たちの享楽的な熱狂と、文明社会からの退行(あるいは自己喪失)を極限まで削ぎ落としたミニマルな編成で表現した、アルバムにおける呪術的なインターリュード(間奏曲)として機能している。
和訳
[Instrumental]
※本楽曲には言語による歌詞が存在しない。ニック・メイソンのトライバルなボンゴと素朴なティン・ホイッスルの音色だけで構成されたこの短いトラックは、言語や理性といった近代的なコミュニケーションを放棄し、本能と肉体的な快楽に身を委ねるヒッピー・カルチャーの原始的な退行を音響化している。ヘロインなどのドラッグが蔓延するイビザ島のパーティという狂騒空間において、言葉はもはや意味を為さず、ただ脈打つようなリズムだけが彼らを逃れられない破滅的な快楽へと誘っていく様を生々しく描写している。
