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Niagara Falls (Foot or 2) - Metro Boomin, Travis Scott & 21 Savage 【和訳・解説】

Artist: Metro Boomin, Travis Scott & 21 Savage

Album: HEROES & VILLAINS

Song Title: Niagara Falls (Foot or 2)

概要

本作は、元々Travis Scottのネットラジオ番組などで一部がリークされ、ファンの間で長らく公式リリースが熱望されていた幻の未発表曲である。Metro Boominの大ヒットアルバム『HEROES & VILLAINS』(2022年)の終盤に収録される形でついに世に放たれた。トラップの重低音とメランコリックなメロディが交差する中、名声を得たがゆえのパラノイア、他者への不信感、そしてストリートの凄惨な過去(見てはいけないものを見たトラウマ)が綴られる。タイトルの「Niagara Falls(ナイアガラの滝)」はとめどなく流れる涙やダイヤの輝きを、「Foot or 2」は他者との間に必要なパーソナルスペースを意味する。アウトロにおけるモーガン・フリーマンの「ヒーローとヴィランの起源は同じである」という重厚な語りは、アルバムの根幹をなすテーマを見事に総括している。

和訳

[Intro: Travis Scott & 21 Savage]
We done did so much around the law (21)
俺たちは法の網の目を潜って、色んなことをやりすぎた。

I done seen so much I shouldn't've saw (Straight up)
見ちゃいけねえもんまで、山ほど見すぎちまったんだ。

Tatted teardrops, call Niagara Falls (Straight up)
涙のタトゥーを彫る、ナイアガラの滝って呼んでくれ。
※Teardrop tattoo=人を殺したこと、または服役したことや亡き仲間を悼むストリートの象徴的なタトゥー。「Niagara Falls(ナイアガラの滝)」のように涙が止まらないほどの悲劇や喪失を経験したという暗喩。

It been up and down but never fall (On God)
浮き沈みはあったが、決して落ちぶれることはねえ。(神に誓って)

I been at the lab behind the wall (21)
塀の向こう側のラボ(スタジオ)にいたんだ。
※behind the wall=「刑務所の中にいる」ことを指すスラングだが、ここでは世間から隔絶されたスタジオ(lab)で制作に没頭している状況とも掛けている。

I been at the lab behind the—
塀の向こうのラボにいた—

[Chorus: Travis Scott & 21 Savage]
Ratchet bitches wanted Frenchy's, not Philippe
ラチェットなビッチ共は、フィリップじゃなくてフレンチズに行きたがる。
※Ratchet=下品でストリート育ちな女性。Philippe=高級中華料理店Philippe Chow。Frenchy's=ヒューストンにある安価なフライドチキン店。Travisの地元ヒューストンのローカルな店を好む「気取らない女」を指す。

That's the type to put me in my mood (In my mood)
そういうタイプが俺をいい気分にさせてくれるんだ。

She know that I'm mobbin', she come cool for me
彼女は俺がモブ(ギャング)だって分かってる、だからクールに振る舞ってくれる。

She know how to put me in my groove (On God)
どうすれば俺を気持ちよくさせられるか分かってるんだ。(神に誓って)

I know it's a lot that you can learn from me
俺から学べることは山ほどあるって分かってるぜ。

It's just one thing that you gotta prove (Straight up)
お前が証明しなきゃならねえのは、たった一つだけだ。

If you gotta walk, would you still ride for me?
もし歩かなきゃならなくなった時でも、俺のためにライドして(寄り添って)くれるか?
※車(富や成功)を失って歩きになっても、変わらず忠誠を誓ってくれるかというテスト。

I might need a extra foot or two (Straight up)
あと1、2フィート(約30〜60cm)余分に距離が必要かもな。
※名声ゆえのパラノイアで、他人が近づきすぎることを警戒し、パーソナルスペース(foot or two)を求めている。

Gotta keep my distance, they surroundin' me
距離を保たなきゃなんねえ、奴らが俺を取り囲んでくる。

I might need a extra foot or two (Foot or two)
あと1、2フィート余分に距離が必要かもな。

They might havе to go and build a house for me
あいつら、俺のために家を一軒建てなきゃならなくなるかもな。
※人を寄せ付けない広大なスペースが必要だという比喩。

I might need a extra foot or— (21)
俺には余分な距離が必要かも—

[Verse 1: 21 Savage & Travis Scott]
Crib samе size as the Galleria (Galleria, phew)
ガレリアと同じデカさの家だ。
※Galleria=アトランタやヒューストンにある巨大なショッピングモール。

Spanish model with me, call her "Señorita" (Señorita, phew)
スパニッシュのモデルを連れてる、「セニョリータ」って呼んでるぜ。

I done fell in love with a hood girl
フッド(地元)の女に惚れちまった。

She be puttin' syrup in her margaritas (Margarita, phew)
あの子はマルガリータにシロップ(リーン)を混ぜて飲んでるんだ。

Bought my college vibe a brand new Birkin (On God, phew)
大学生のバイブスを持ったあの子に、新品のバーキンを買ってやったぜ。(神に誓って)

On the weekend, she be twerkin' (Straight up, phew)
週末になれば、あいつはトワーク(ケツ振りダンス)してる。

Take a shower in the Maybach, it got curtains (21)
マイバッハの中でシャワーを浴びる、カーテン付きだからな。
※Maybachの広さとプライバシーを誇示している。

Leave your phone in your purse, you makin' me nervous (Lil' bitch, phew)
スマホはバッグにしまっとけ、神経質にさせんな。(ビッチ)
※盗撮や密告を警戒するパラノイア。

Saint Laurent Don fresher than detergent (I be clean, phew)
サンローラン・ドンは、洗剤よりもフレッシュ(クリーン)だぜ。
※Saint Laurent Don=21 Savageの別名(サンローランを愛用することから)。clean=服がイケてる、または薬物や前科がクリーンな状態のダブルミーニング。

Got a crush on this waitress, hope she serve me (Nah mean? Phew)
このウェイトレスに一目惚れした、俺に「奉仕」してくれりゃいいんだがな。(分かるだろ?)

Porsche headlights on, Kermit the Frog (21, 21, phew)
ポルシェのヘッドライトをつける、カーミット・ザ・フロッグだ。
※ポルシェの丸いポップアップ式ヘッドライトや緑色の車体が、カエルのキャラクター「カーミット」に似ていることから。

Michael Vick, number seven, I'm a dawg (Big dawg, phew)
マイケル・ヴィック、背番号7、俺は闘犬(最高にイケてる奴)だぜ。
※Michael Vick=背番号7で活躍した元NFLのスターQBだが、違法な闘犬(dog fighting)に関与し逮捕された過去を持つ。これとストリートスラングの「dawg(仲間、タフな男)」を掛けた秀逸なライン。

[Chorus: Travis Scott]
Ratchet bitches wanted Frenchy's, not Philippe (Ah)
ラチェットなビッチ共は、フィリップじゃなくてフレンチズに行きたがる。

That's the type to put me in my mood (Yeah)
そういうタイプが俺をいい気分にさせてくれるんだ。

She know that I'm mobbin', she come cool for me (Ah, ah)
彼女は俺がモブ(ギャング)だって分かってる、だからクールに振る舞ってくれる。

She know how to put me in my groove (Yeah)
どうすれば俺を気持ちよくさせられるか分かってるんだ。

I know it's a lot that you can learn from me (Ooh)
俺から学べることは山ほどあるって分かってるぜ。

It's just one thing that you gotta prove (Ah, ah)
お前が証明しなきゃならねえのは、たった一つだけだ。

If you gotta walk, would you still ride for me? (Ah, ah)
もし歩かなきゃならなくなった時でも、俺のためにライドして(寄り添って)くれるか?

I might need a extra foot or two (Ah, ah, oh)
あと1、2フィート余分に距離が必要かもな。

Gotta keep my distance, they surroundin' me (Ooh)
距離を保たなきゃなんねえ、奴らが俺を取り囲んでくる。

I might need a extra foot or two (Ooh)
あと1、2フィート余分に距離が必要かもな。

They might have to go and build a house for me (Ooh)
あいつら、俺のために家を一軒建てなきゃならなくなるかもな。

I might need a extra foot or— (Ooh)
俺には余分な距離が必要かも—

[Verse 2: Travis Scott]
We done did so much around the law
俺たちは法の網の目を潜って、色んなことをやりすぎた。

Stay up to forget 'bout what I saw
見たことを忘れるために、夜通し起きてるんだ。

Powers keep increasin' by the bar
バー(小節)ごとに、パワーが増していく。

Shit don't make you sleepy after all
結局のところ、こいつ(ドラッグや成功)は眠らせてくれねえんだよ。

Shoppin' in my closet, not the mall
ショッピングモールじゃなく、自分のクローゼットで買い物するぜ。
※服が多すぎてモールに行く必要がないというフレックス。

Openin' my mouth, a disco ball
口を開けば、まるでディスコボールさ。
※ダイヤモンドが敷き詰められたグリルズ(歯のジュエリー)が輝く様子。

I extend the marble on the wall
壁の大理石をさらに拡張していく。

I been into designin' it all, all, all
俺はすべてをデザインすることにのめり込んでるんだ。

Water down her eyes, Niagara Falls
彼女の目から涙(水)がこぼれ落ちる、まるでナイアガラの滝だ。

Got too many numbers; who to call?
電話番号が多すぎる、誰に電話すればいいんだ?

Made too many ways for you to cross
お前が裏切る(交差する)ための道筋を、俺は作りすぎちまった。
※cross=裏切る。成功への道を整備した結果、周囲に裏切られるリスクも増やしてしまったという葛藤。

Now we lookin' down and then we ball, ball, ball
今じゃ上から見下ろして、ひたすら大金を使って遊んでる(ボールしてる)ぜ。

[Chorus: Travis Scott]
Ratchet bitches wanted Frenchy's, not Philippe (Ah)
ラチェットなビッチ共は、フィリップじゃなくてフレンチズに行きたがる。

That's the type to put me in my mood (Yeah)
そういうタイプが俺をいい気分にさせてくれるんだ。

She know that I'm mobbin', she come cool for me (Ah, ah)
彼女は俺がモブ(ギャング)だって分かってる、だからクールに振る舞ってくれる。

She know how to put me in my groove (Yeah)
どうすれば俺を気持ちよくさせられるか分かってるんだ。

I know it's a lot that you can learn from me (Ooh)
俺から学べることは山ほどあるって分かってるぜ。

It's just one thing that you gotta prove (Ah, ah)
お前が証明しなきゃならねえのは、たった一つだけだ。

If you gotta walk, would you still ride for me? (Ah, ah)
もし歩かなきゃならなくなった時でも、俺のためにライドして(寄り添って)くれるか?

I might need a extra foot or two (Ah, ah, oh)
あと1、2フィート余分に距離が必要かもな。

Gotta keep my distance, they surroundin' me (Ooh)
距離を保たなきゃなんねえ、奴らが俺を取り囲んでくる。

I might need a extra foot or two (Ooh)
あと1、2フィート余分に距離が必要かもな。

They might have to go and build a house for me (Ooh)
あいつら、俺のために家を一軒建てなきゃならなくなるかもな。

I might need a extra foot or— (Ooh)
俺には余分な距離が必要かも—

[Outro: Morgan Freeman]
Villains don't perceive themselves as wrong
ヴィラン(悪役)は、自分自身が間違っているとは決して思わない。

And all heroes do not wear capes
そして、すべてのヒーローがマントを羽織っているわけではない。
※Metro Boominの前作アルバムのタイトル『Not All Heroes Wear Capes』と繋がるフレーズ。

Villains are made, not born
ヴィランは生まれながらの悪ではない、作られるのだ。

Most times, the villain and the hero's beginnings, unlike their endings, take nearly identical shape and form
多くの場合、結末こそ違えど、ヴィランとヒーローの「始まり」は、ほぼ全く同じ形をしているのだ。
※過酷な環境からスタートし、一方は世界を救うヒーローになり、一方は犯罪者(ヴィラン)になるという、ヒップホップにおけるサバイバルと表裏一体の現実を説く。アルバム全体のテーマを総括する完璧なナレーション。

 

Niagara Falls (Foot or 2)

Niagara Falls (Foot or 2)

  • Metro Boomin, トラヴィス・スコット & 21サヴェージ
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes