Artist: Metro Boomin, Travis Scott & Young Thug
Album: HEROES & VILLAINS
Song Title: Trance
概要
本作は、Metro Boominのメガヒットアルバム『HEROES & VILLAINS』(2022年)に収録された、タイトル通り「トランス(催眠・恍惚)状態」を音像化したようなサイケデリックで妖艶な一曲だ。Travis Scottの浮遊感あふれるコーラスと、Young Thugの変幻自在なフロウが、Metroの重厚かつアンビエントなトラップビートの上で完璧な化学反応を起こしている。クラブでの狂騒やドラッグによる酩酊、そして名声がもたらす非日常的なライフスタイルを、まるで夢の中の出来事のように退廃的に描写している。なお、制作段階ではDrakeが参加したヴァージョンも存在しネット上でリークされたが、「TravisとThugの時点ですでに楽曲が完成されすぎている」という理由で最終カットされたという逸話も、本作の神格化に拍車をかけている。
和訳
[Intro: Travis Scott]
Yeah, yeah, yeah, yeah
イェー、イェー、イェー、イェー。
Did you forget? Do it for life
忘れたのか? 一生やり続けるんだ。
Chicago that time, all bullshit aside
あの時のシカゴ、くだらねえ事は全部抜きにしてな。
Wonderful vibe, wonderful night (Yeah)
最高のバイブス、最高の夜だった。(イェー)
Did it with tribe
トライブ(仲間)と一緒にやったんだ。
All I can hear is you and I
俺と君の声しか聞こえねえ。
Up in this club, bumpin' and grind
このクラブの中で、ガンガン揺らして腰を振りな。
Who made it flood? You see the signs (Sign)
誰がここを水浸し(フロス)にした? サインを見りゃわかるだろ。(サインをな)
※flood=大金を使って酒を浴びるように飲んだり、ジュエリーで派手に着飾る(Ice out)ことを「洪水」に例えている。
Signs, signs, signs (Yeah)
サイン、サイン、サインだ。(イェー)
[Verse 1: Travis Scott]
We pulled out the feathers for this type of weather
こういう天気(状況)の時は、羽飾り(とびきりの服)を引っ張り出すんだ。
She pulled to the club to bust up a dub
あの子はダブ(極上のマリファナ)を巻くためにクラブへやってきた。
※dub=20ドル分のマリファナ、またはそのサイズを指すスラング。
She came with her man, I called in a sub
男連れで来やがったから、俺は代役(他の女)を呼んだぜ。
She givin' out hugs, we know 'bout them hugs
あいつは色んな奴にハグしてる、俺らはその「ハグ」の意味を知ってるぜ。
※単なる挨拶以上の、誘惑や下心を含んだボディタッチであることを暗示している。
She put in my hand, don't know what it was
俺の手に何かを握らせてきたが、何なのかは分からねえ。
※クラブ内で密かにドラッグ(ピルなど)を渡される情景。
She know some the fam, but don't know enough (Enough)
あいつは俺の仲間(ファム)を何人か知ってるが、深くは知らねえよ。
My trust is in "In God We Trust"
俺が信用してるのは、「我ら神を信ず(In God We Trust)」だけだ。
※米ドルの紙幣に印字されている文句。人間ではなく「金」しか信用しないというストリートの冷徹な鉄則。
(Caught in a trance, it's givin' us)
(トランス状態に陥っていく、こいつが俺たちに与えるんだ)
Sippin' on Wock, don't do 'Tuss
ウォックをすすってるぜ、タスはやらねえよ。
※Wock=Wockhardt(ウォックハード)社製のプロメタジン・コデイン・シロップ(リーン)。'Tuss=Tussionex(タシオネックス)という別の咳止めシロップ。品質やブランドへのこだわりを示すフレックス。
She got her own fans, she need her a bus
あいつには自分のファンがいる、ツアーバスが必要なくらいにな。
Might give her a chance, it's givin' her— (Uh)
チャンスをやるかもしれない、こいつがあいつに与えてるんだ—
Out in a trance, it's givin' her— (Uh)
トランス状態にぶっ飛んでる、こいつがあいつに与えてるんだ—
Not on no Xans, it's givin' her— (Uh)
ザン(ザナックス)はやってねえよ、こいつがあいつに与えてるんだ—
※Xans=抗不安薬ザナックス(Xanax)。
Nigga with bands, it's givin' her— (Trance)
札束(バンズ)を持った男、それが彼女に与えてるんだ—(トランスをな)
A nigga with plans, it's givin' her— (Uh)
計画を持った男、それが彼女に与えてるんだ—
Still in the gym, ain't did the implants
まだジムで鍛えてるぜ、インプラント(整形)なんかしてねえよ。
I like that for real, ain't givin' up
俺は本物のそういうのが好きなんだ、諦めねえぜ。
※作り物の体(豊胸など)ではなく、ジムで鍛え上げたナチュラルな体の女性が好みであるという言及。
Like they know that you real, they give it up (Real)
お前が本物だって分かってるみたいに、奴らはリスペクトを払うんだ。(本物にな)
※give it up=称賛する、リスペクトを示すこと。
Like if you got the steel, they give it up (Steel)
お前がスティール(銃)を持ってる時みたいに、奴らは全部差し出すんだ。
※steel=銃を指すスラング。銃を突きつけられた時のように、周囲が絶対的な服従やリスペクトを示すことの比喩。
Takin' these Ms they givin' us
奴らが差し出すミリオン(数百万ドル)をかっさらうぜ。
※Ms=Millions(数百万)。
And run in the field like it's ten of us (Ten, ten, ten)
10人分くらいの勢いで、このフィールド(現場)を駆け回るんだ。(10、10、10)
I'm cleanin' shit out like a enema
浣腸みたいに、この業界のクソを一掃してやってるぜ。
※enema=浣腸。シーンに蔓延るフェイクな連中(shit)を体内から綺麗に洗い流すという強烈なメタファー。
I make this shit look like a cinema (Ten, ten, ten)
俺はこのクソみたいな現実を、映画(シネマ)みたいに魅せてやるんだ。
(Caught in a trance, yeah)
(トランス状態に陥っていく、イェー)
[Verse 2: Young Thug & Travis Scott]
Woah, take off the top, baby, let's ride
ウォウ、車の屋根を開けなベイビー、ドライブしようぜ。
I'm with my dogs, I pick the side
ダチと一緒にいる、俺は自分のサイド(味方)を選ぶぜ。
She want the boss, the one own the tribe
彼女はボスを求めてる、トライブ(仲間)を束ねるトップをな。
I own the tribe, yeah
俺がそのトライブのボスだぜ、イェー。
Arm out the window, just throw it when we ride
窓から腕を出して、走らせながら(サインを)投げな。
I bent the corner, scraped the wheel and the tires (Woo)
コーナーを曲がる、ホイールとタイヤをこすりながらな。(ウー)
Put twenty hoes on a boat 'til they tired
20人のビッチをボートに乗せて、クタクタになるまで遊ばせるぜ。
Everybody on (On)
全員が最高にキマってる。(キマってる)
You know you need me, my nigga
お前らには俺が必要だって分かってんだろ、なぁ兄弟。
Just keep this shit real, don't you cry, what you saw? (Need)
リアルでいようぜ、泣くんじゃねえよ、何を見たって言うんだ?
Who else fuck up the city like us? When it rain, it's a thunderstorm (Thunderstorm)
俺たちみたいに街を揺らせる奴が他にいるか? 雨が降るなら、それは雷雨(サンダーストーム)だぜ。
※俺たちが動けば、ただの雨(小規模な影響)ではなく、街中を巻き込む嵐になるという影響力のアピール。
I party at Shabba in New York and LA where they keep on goin' to the dawn (Shabba)
ニューヨークのShabbaやLAでパーティーだ、夜明けまでぶっ続けでな。
※Shabba=イベント名やナイトクラブの暗示。ダンスホール・レゲエのレジェンド、Shabba Ranksにちなんだ熱狂的なパーティーの可能性もある。
200K what I'm on (Two hundred)
俺が身につけてるのは20万ドル(約3,000万円)だぜ。
She lickin' all down my chest (Down my, lick down my chest, yeah, yeah)
あいつは俺の胸を舐め回してる。
I told her, "I ain't Slime, baby, call me SEX," yeah (I'm not Slime, just call me SEX)
彼女に言ってやった、「俺はSlimeじゃねえ、SEXって呼べよベイビー」ってな。
※Slime=Young Thugの代表的なニックネームだが、ここでは彼が名乗っていたもう一つのオルター・エゴ(別人格)である「SEX」で呼ぶよう要求している。
It ain't no dope where I put these racks at, yeah (Ain't no dope where I put these racks)
この札束(ラックス)を置く場所に、ドープ(クスリ)なんか置かねえよ。
※大金が多すぎて、麻薬を隠すスペースすら無いほどの稼ぎを誇示している。
If you my ho, I call you sexy, yeah (If you my ho, I call you sexy)
お前が俺の女なら、セクシーって呼んでやるよ。
Got LA shit so bad, it's dangerous (Dangerous)
LAの最高なブツを手に入れた、危険なレベルだぜ。
※LA産の強力なマリファナなどを指す。
I backed out of the knot, she tried to tangle up (Uh)
俺は揉め事(もつれ)から手を引いたのに、あいつは絡みついてこようとした。
※knot=札束を意味するスラングだが、ここでは「tangle up(絡まる)」という言葉と呼応して、複雑な関係や厄介事を避けたことを表現している。
She got Paris manners and it's so dangerous (Dangerous)
彼女はパリのマナー(洗練された振る舞い)を身につけてる、それがまた危険なんだ。
Uh, uh, uh, uh, uh
アー、アー、アー。
[Outro: Travis Scott & Young Thug]
Caught in a trance, it's givin' us (Yeah, ah)
トランス状態に陥っていく、こいつが俺たちに与えるんだ。
Caught in a trance, it's givin' us (Ah, yeah, uh-huh)
トランス状態に陥っていく、こいつが俺たちに与えるんだ。
Caught in a trance, it's givin' us (Ah)
トランス状態に陥っていく、こいつが俺たちに与えるんだ。
Caught in a trance, it's givin' us (Ah)
トランス状態に陥っていく、こいつが俺たちに与えるんだ。
Caught in a trance, it's givin' us (Ah)
トランス状態に陥っていく、こいつが俺たちに与えるんだ。
Caught in a trance, it's givin' us (Ah)
トランス状態に陥っていく、こいつが俺たちに与えるんだ。
Late night, late night, late night
深夜、深い夜に。
To the side, to the side
こっちへ、こっちのサイドへ。
Yeah, yeah, this side
イェー、イェー、こっちのサイドだ。
You got riptide in mind
お前の頭の中には、引き波(リップタイド)が渦巻いてる。
※riptide=強い引き波。トランス状態で意識が遠のき、暗い深淵へと引きずり込まれるような感覚の隠喩。
I move so far in time
俺は時間の中で、遥か遠くまで進んでいく。
I move so far in time (Ooh)
俺は時間の中で、遥か遠くまで進んでいく。
I been whipped up at night (Woah, ooh)
夜中に高級車(ウィップ)を乗り回してるぜ。
※whip up=料理を手早く作る意味もあるが、ここでは車(whip)を飛ばす、あるいはドラッグを精製してキマっている状態と掛けている。
I been whipped up, in whip, whip
乗り回してる、ウィップ(車)の中で。
My fists up, in drive (Drive, ooh)
拳を突き上げて、ドライブしてるぜ。
Drivin', **** up, in time (Ooh, yeah)
ドライブしてる、イカれた状態で、時間通りにな。
I been pimped up in night (Uh, ooh)
夜中にピンプ(女をはべらせる男)みたいに着飾ってるぜ。
I been workin' in time (Ooh)
時間通りに(完璧なタイミングで)仕事をこなしてる。
I been moved right inside (Ah, ah)
俺はまっすぐ内側へと入り込んだんだ。
I've been just like— (Ooh)
俺はまるで—
It's this life, it's this life, it's this life
これが俺の人生だ、こういう人生なんだよ。
