Artist: Michael Jackson
Album: Ben
Song Title: Shoo-Be-Doo-Be-Doo-Da-Day
概要
1972年に発表されたマイケル・ジャクソンのソロ第2作『Ben』に収録された、モータウンの偉大な先輩であるスティーヴィー・ワンダーの1968年のヒット曲のカバーである。恋人を蔑ろにする男に対して「そんな扱いをしていると、俺が彼女を奪うぜ」と強気に宣言するファンキーなR&Bナンバーだ。当時まだ13〜14歳だったマイケルが、スティーヴィー特有のリズミカルなフレージングとソウルフルなグルーヴを見事に自分のものとして昇華している。変声期前の彼が持つ無邪気さと、大人びた恋愛の駆け引きのギャップが面白く、後に『Off The Wall』や『Thriller』で披露する鋭いリズム感やアグレッシブなボーカルスタイルの原型を確かに感じ取ることができる一曲である。
和訳
[Verse 1]
Your precious sweetheart, she is so faithful
君の大事な恋人は、すごく誠実で
She is so true, woah, yeah
本当に一途なのにさ、ウォウ、イェー
※「faithful」「true」という言葉で、健気な彼女の姿を強調している。
Her dreams are tumbling
彼女の夢は崩れ落ちて
Her world is crumbling
彼女の世界はガラガラと音を立てて壊れているんだ
Because of you, uh-huh
君のせいでね、アーハッ
※「tumbling」と「crumbling」で韻を踏み、彼女の心が崩壊していく様をリズミカルに描写している。マイケルの「uh-huh」という合いの手が、相手の男に対する挑発的な態度を効果的に演出している。
One day, you'll hurt her just once too much
いつか君は、取り返しのつかないくらい彼女を傷つけるだろうね
And when you finally lose your tender touch
そして君が、その優しさを完全に失ってしまった時
[Chorus]
Shoo-be-doo-be-doo-be-doo-da-day
シュー・ビー・ドゥー・ビー・ドゥー・ビー・ドゥー・ダ・デイ
※スティーヴィー・ワンダーらしいスキャットを取り入れたアイコニックなフレーズ。言葉に意味を持たないナンセンス・シラブルだが、マイケルの天性のリズム感により、強烈なフックとして機能している。
Her feet may wander, her heart may stray
彼女の足は彷徨い、その心は迷い始めるだろう
Shoo-be-doo-be-doo-be-doo-da-dee
シュー・ビー・ドゥー・ビー・ドゥー・ビー・ドゥー・ダ・ディー
You're gonna send your baby straight to me
君自身が、君のベイビーを僕のところへ真っ直ぐ送り込むことになるのさ
※彼女を大切にしない男への痛烈な皮肉であり、略奪愛の宣言である。少年期のマイケルが歌うことで、生意気で自信に満ちた魅力が引き出されている。
[Verse 2]
I'm gonna give her all the loving
僕は彼女に、僕の心の底にある
Within my heart, oh, yeah
すべての愛を注ぐつもりさ、オー、イェー
I'm gonna patch up every single little dream
彼女の壊れた小さな夢を、僕が一つ残らず繋ぎ合わせてみせる
You've torn apart, understand me now?
君がズタズタに引き裂いた夢をさ。今なら僕の言ってることがわかるだろ?
※「understand me now?」と相手に直接語りかけるように凄むボーカルディレクションは、後の「Bad」や「Smooth Criminal」などに見られるアグレッシブな表現技法に直結している。
And when she tells you, she's crying her last tear
そして彼女が「これが最後の涙よ」と君に告げる時
Heaven knows I am going to be somewhere near
神様は知ってるさ、僕が彼女のすぐそばにいるってことをね
[Chorus]
Shoo-be-doo-be-doo-be-doo-da-day
シュー・ビー・ドゥー・ビー・ドゥー・ビー・ドゥー・ダ・デイ
Her feet may wander, her heart may stray
彼女の足は彷徨い、その心は迷い始めるだろう
Shoo-be-doo-be-doo-be-doo-da-dee
シュー・ビー・ドゥー・ビー・ドゥー・ビー・ドゥー・ダ・ディー
That's gonna send your baby straight to me
そうやって、君のベイビーは僕のところへ真っ直ぐやって来るんだよ
Oh, yeah-yeah, you better
オー、イェー、イェー、いいかい
You better listen to me, yeah
僕の言うことをよく聞くんだな、イェー
[Verse 3]
Heartaches are calling and tears are falling
心の痛みが叫び声をあげ、涙がこぼれ落ちている
Because of you, oh, yeah
君のせいでね、オー、イェー
And when you're gone, she'll know
そして君が去った時、彼女は気づくんだ
I'm the one to go to her rescue
僕こそが、彼女を救いに行く男だってことにね
※「rescue(救出する)」という言葉を使い、自分を彼女のヒーローとして位置づけている。このドラマチックな自己投影は、マイケルのパフォーマンスにおける重要な要素である。
Maybe you didn't know that man
もしかしたら、君は気づいていなかったのかもしれないな
You're gonna leave her one too many times
君は何度も何度も彼女をほったらかしにするだろうけど
And when you come back, that girl's gonna be mine, all mine
君が戻ってきた時には、あの女の子は僕のものさ。完全に僕だけのものになっているんだよ
※「all mine」と畳み掛けるように歌うアウトロは、若きスターの溢れんばかりのエネルギーと野心を象徴している。原曲のファンキーさを損なうことなく、自分自身のポップ・アンセムとして見事に着地させている。
