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King Kunta - Kendrick Lamar 【和訳・解説】

Artist: Kendrick Lamar

Album: To Pimp a Butterfly

Song Title: King Kunta

概要

本作は名盤『To Pimp a Butterfly』に収録された、Gファンクとジェームス・ブラウン的なグルーヴが融合した強烈なバンガーである。タイトルは、アフリカから奴隷としてアメリカに連行され、逃亡を図った罰として右足を切断された小説『ルーツ』の主人公クンタ・キンテに由来する。「奴隷(Kunta)」と「王(King)」という相反する言葉を組み合わせることで、ラップシーンの頂点に立ちながらも白人社会から搾取・警戒される黒人としての葛藤とプライドを表現している。また、ゴーストライターを使用するフェイクなラッパーへのディスや、権力と欲望の象徴である「ヤム芋(The Yam)」という隠喩を用い、ヒップホップにおける真のオーセンティシティとは何かを問う傑作だ。

和訳

[Intro: Kendrick Lamar]
I got a bone to pick
文句があるんだよ。

I don't want you monkey-mouth motherfuckers
お前らみたいな猿ヅラのクソ野郎どもに。

Sittin' in my throne again
俺の玉座に二度と座らせねえ。

Ayy, ayy, nigga, what's happenin'?
エイ、エイ、調子はどうだ?

K-Dot back in the hood, nigga
K-Dotがフッドに帰ってきたぜ。
※K-Dot=ケンドリック・ラマーの初期のMCネーム。

I'm mad (He mad), but I ain't stressin'
俺は怒ってんだよ(彼はお怒りだ)、でも焦っちゃいねえ。

True friends, one question
真のダチたちよ、一つだけ聞かせてくれ。

[Chorus: Kendrick Lamar]
Bitch, where you when I was walkin'?
ビッチ、俺が歩いてた(下積みだった)頃、お前はどこにいたんだ?
※walkin'には、名声を得る前の「徒歩で移動していた時代」という意味と、クンタ・キンテが「足を切断される前に歩いていた状態」のダブルミーニングが含まれる。

Now I run the game, got the whole world talkin'
今じゃ俺がこのゲームを支配して、世界中を騒がせてる。

King Kunta, everybody wanna cut the legs off him
キング・クンタ、誰もが奴の足を切り落としたがってるぜ。
※逃亡を防ぐために右足を切断されたクンタ・キンテの歴史と、現在の成功した黒人(自分)を引きずり下ろそうとする社会やヘイターの構造を重ね合わせている。

Kunta, black man taking no losses, oh yeah
クンタ、黒人はもう負けはしねえ、そうだろ。

Bitch, where you when I was walkin'?
ビッチ、俺が歩いてた頃、お前はどこにいたんだ?

Now I run the game, got the whole world talkin'
今じゃ俺がこのゲームを支配して、世界中を騒がせてる。

King Kunta, everybody wanna cut the legs off him
キング・クンタ、誰もが奴の足を切り落としたがってるぜ。

When you got the yams (What's the yams?)
お前らが「ヤム芋」を手に入れた時によ。(ヤム芋ってなんだ?)

[Verse 1: Kendrick Lamar]
The yam is the power that be
ヤム芋ってのは、存在する「力(権力)」のことだ。
※ヤム芋(Yam)はアフリカの主食であり、チヌア・アチェベの小説『崩れゆく絆』やラルフ・エリソンの『見えない人間』において、富や権力、黒人としての真のオーセンティシティ(真正性)の象徴として描かれている。

You can smell it when I'm walkin' down the street
俺がストリートを歩いてりゃ、その匂いがプンプンするだろ。

(Oh yes, we can, oh yes, we can)
(あぁ、匂うぜ、確かに匂う)

I can dig rappin', but a rapper with a ghostwriter?
ラップは好きだが、ゴーストライターを使ってるラッパーだと?

What the fuck happened? (Oh no)
一体どうなっちまったんだ?(勘弁してくれよ)

I swore I wouldn't tell, but most of y'all sharing bars
誰にも言わねえと誓ったが、お前らの大半がリリックを使い回してやがる。
※ヒップホップにおいてタブーとされるゴーストライターの使用を痛烈に批判している。

Like you got the bottom bunk in a two-man cell (A two-man cell)
まるで2人部屋の牢屋で、下のベッドをシェアしてるみたいにな(2人部屋の牢屋でよ)。
※barsに「リリックの小節(bar)」と「鉄格子(bars)」を掛け、刑務所の相部屋に例えている。

Something's in the water (Something's in the water)
水に何かが混ざってやがる(何かが混ざってる)。

And if I gotta brown-nose for some gold
もし金(ゴールド)のために、誰かのケツの穴を舐めなきゃ(へつらわなきゃ)いけねえなら。
※brown-noseは「媚びへつらう」という意味のスラング(直訳は茶色い鼻=他人の尻に顔を突っ込むことから)。

Then I'd rather be a bum than a motherfuckin' baller (Oh yeah!)
クソみたいな金持ち(ボーラー)になるくらいなら、浮浪者でいた方がマシだぜ。(その通り!)

[Chorus: Kendrick Lamar]
Bitch, where you when I was walkin'?
ビッチ、俺が歩いてた頃、お前はどこにいたんだ?

Now I run the game, got the whole world talkin'
今じゃ俺がこのゲームを支配して、世界中を騒がせてる。

King Kunta, everybody wanna cut the legs off him
キング・クンタ、誰もが奴の足を切り落としたがってるぜ。

King Kunta, black man taking no losses, oh yeah
キング・クンタ、黒人はもう負けはしねえ、そうだろ。

Bitch, where you when I was walkin'?
ビッチ、俺が歩いてた頃、お前はどこにいたんだ?

Now I run the game, got the whole world talkin'
今じゃ俺がこのゲームを支配して、世界中を騒がせてる。

King Kunta, everybody wanna cut the legs off him
キング・クンタ、誰もが奴の足を切り落としたがってるぜ。

When you got the yams (What's the yams?)
お前らが「ヤム芋」を手に入れた時によ。(ヤム芋ってなんだ?)

[Verse 2: Kendrick Lamar]
The yam brought it out of Richard Pryor
ヤム芋(権力・欲望)が、リチャード・プライヤーの正体を暴き出した。
※伝説的な黒人コメディアンであるリチャード・プライヤーへの言及。彼は名声による重圧からコカイン中毒となり、フリーベース(吸引)中に全身火傷を負う事件を起こした。

Manipulated Bill Clinton with desires
ビル・クリントンを欲望で操ったのもヤム芋さ。
※モニカ・ルインスキーとの不倫スキャンダルなど、最高権力者である大統領でさえも、欲望(Yam)には抗えなかったことを示している。

Twenty-four-seven, three-sixty-five days times two
24時間365日、その2倍の時間をかけて。

I was contemplatin' gettin' off stage
俺はステージから降りる(引退する)ことも考えてたんだ。

Just to go back to the hood, see my enemy and say (Oh yeah)
フッドに戻って、敵の顔を直接見て、こう言ってやるためだけによ(あぁ)。

[Chorus: Kendrick Lamar]
Bitch, where you when I was walkin'?
ビッチ、俺が歩いてた頃、お前はどこにいたんだ?

Now I run the game, got the whole world talkin'
今じゃ俺がこのゲームを支配して、世界中を騒がせてる。

King Kunta, everybody wanna cut the legs off him
キング・クンタ、誰もが奴の足を切り落としたがってるぜ。

Kunta, black man taking no losses, oh yeah
クンタ、黒人はもう負けはしねえ、そうだろ。

Bitch, where you when I was walkin'?
ビッチ、俺が歩いてた頃、お前はどこにいたんだ?

Now I run the game, got the whole world talkin'
今じゃ俺がこのゲームを支配して、世界中を騒がせてる。

King Kunta, everybody wanna cut the legs off him
キング・クンタ、誰もが奴の足を切り落としたがってるぜ。

[Verse 3: Kendrick Lamar]
You goat-mouth mammyfucker
このヤギ面のマザーファッカーどもが。

I was gonna kill a couple rappers, but they did it to themselves
ラッパーを数人殺して(キャリアを終わらせて)やろうと思ったが、奴ら勝手に自滅しやがった。

Everybody's suicidal, they ain't even need my help
全員が自殺願望ありだ、俺の手を借りるまでもなかったな。

This shit is elementary, I'll probably go to jail
こんなもん初歩レベル(簡単すぎ)だ、俺は刑務所行きになるかもな。

If I shoot at your identity and bounce to the left
もし俺がお前のアイデンティティを撃ち抜いて、左へ立ち去っちまったらよ。

Stuck a flag in my city, everybody's screamin', "Compton!"
俺の街に旗を立てりゃ、誰もが「コンプトン!」って叫ぶのさ。

I should probably run for mayor when I'm done, to be honest
正直、これが終わったら市長に立候補した方がいいかもな。

And I put that on my momma and my baby boo too
俺のママと、愛しのベイビーに誓って言うぜ。

Twenty million walkin' out the court buildin', woo-woo!
裁判所から2000万ドルを抱えて歩いて出てやる、ウーウー!

Aw, yeah, fuck the judge
あぁ、そうだ、裁判官なんかクソくらえだ。

I made it past twenty-five, and there I was
俺は25歳を生き延びた、そしてここにいる。
※ゲットーの黒人男性の死亡率の高さを示唆し、同時に25歳で亡くなった2Pacへのオマージュでもある。2Pacの楽曲でも25歳が生き残りの壁として頻繁に言及される。

A little nappy-headed nigga with the world behind him
世界を味方につけた、チリチリ頭の小さなニガってわけさ。

Life ain't shit but a fat vagina
人生なんてのは、デカいマンコみたいなもんだ。
※「Life is a bitch(人生はビッチだ)」という有名なヒップホップのクリシェをケンドリック流に言い換えた表現。

Screamin', "Annie, are you okay? Annie, are you okay?"
叫ぶのさ、「アニー、大丈夫か?アニー、大丈夫か?」ってな。
※マイケル・ジャクソンの「Smooth Criminal」のサンプリングフレーズ。富や名声を得ながらもメディアに搾取されたマイケルの姿を重ね合わせている。

Limo tinted with the gold plates
ゴールドのナンバープレートを付けたスモークガラスのリムジン。

Straight from the bottom, this the belly of the beast
底辺からのし上がってきた、ここが野獣の腹の中(アメリカ社会の闇)だ。

From a peasant to a prince to a motherfuckin' king (Oh yeah)
農民から王子へ、そして最強の「王(キング)」へとな。(あぁ)
※アルバムの根底にある「サナギから蝶へ」の成長テーマに沿って、奴隷(クンタ)から王への道のりを示している。

[Chorus: Kendrick Lamar]
Bitch, where you when I was walkin'?
ビッチ、俺が歩いてた頃、お前はどこにいたんだ?

By the time you hear the next pop
次のポップ音(銃声/ビートの破裂音)が聞こえる頃には。

The funk shall be within you
お前の中にはファンクが宿ってるはずだ。

Now I run the game, got the whole world talkin'
今じゃ俺がこのゲームを支配して、世界中を騒がせてる。

King Kunta, everybody wanna cut the legs off him
キング・クンタ、誰もが奴の足を切り落としたがってるぜ。

King Kunta, black man taking no losses, oh yeah
キング・クンタ、黒人はもう負けはしねえ、そうだろ。

Bitch, where you when I was walkin'?
ビッチ、俺が歩いてた頃、お前はどこにいたんだ?

Now I run the game, got the whole world talkin'
今じゃ俺がこのゲームを支配して、世界中を騒がせてる。

King Kunta, everybody wanna cut the legs off him
キング・クンタ、誰もが奴の足を切り落としたがってるぜ。

[Outro: Kendrick Lamar & Whitney Alford]
Funk, funk, funk, funk, funk, funk, funk, funk, funk, funk, funk
ファンク、ファンク、ファンク……

We want the funk
俺たちはファンクが欲しいんだ。
※P-Funk(Parliament)のクラシック楽曲「Tear the Roof off the Sucker (Give Up the Funk)」へのオマージュ。

We want the funk
俺たちはファンクが欲しいんだ。

Now if I give you the funk, you gon' take it?
俺がファンクを与えたら、お前は受け取るか?

We want the funk
俺たちはファンクが欲しいんだ。

Now if I give you the funk, you gon' take it?
俺がファンクを与えたら、お前は受け取るか?

We want the funk
俺たちはファンクが欲しいんだ。

Now if I give you the funk, you gon' take it?
俺がファンクを与えたら、お前は受け取るか?

We want the funk
俺たちはファンクが欲しいんだ。

Do you want the funk?
お前はファンクが欲しいか?

We want the funk
俺たちはファンクが欲しいんだ。

Do you want the funk?
お前はファンクが欲しいか?

We want the funk
俺たちはファンクが欲しいんだ。

Now if I give you the funk, you gon' take it?
俺がファンクを与えたら、お前は受け取るか?

We want the funk
俺たちはファンクが欲しいんだ。

[Poem: Kendrick Lamar]
I remember you was conflicted, misusing your influence
覚えてるよ、お前が葛藤し、自分の影響力を誤って使っていたことを。
※アルバムを通じて徐々に朗読されていくケンドリックの自作の詩。最終曲「Mortal Man」でその全貌が明らかになり、この詩が彼から亡き2Pacに向けたメッセージであることが判明する重要な仕掛けとなっている。

 

キング・クンタ

キング・クンタ

  • ケンドリック・ラマー
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
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