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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Barry Bonds - Kanye West 【和訳・解説】

Artist: Kanye West (feat. Lil Wayne)

Album: Graduation

Song Title: Barry Bonds

概要

カニエ・ウェストの3rdアルバム『Graduation』に収録された、リル・ウェインを客演に迎えた一曲である。メジャーリーグの歴代最多本塁打記録を持つバリー・ボンズの名を冠した本作は、彼らがシーンに放つ楽曲が常に「特大のヒット(ホームラン)」であることを豪語する自己誇示のアンセムだ。プロデューサーのNottzが手掛けた、重たく引きずるようなベースラインとMountainの「Long Red」のドラムブレイクを組み合わせたビート上で、カニエは自身の天才的なエゴを存分に見せつける。一方、当時絶頂期を迎えつつあったリル・ウェインは、変則的なフロウとユーモア溢れる強烈なワードプレイで圧倒的な存在感を放っており、2000年代後半を代表する二大巨頭の歴史的なコラボレーションとして高く評価されている。

和訳

[Verse 1: Kanye West]
It's what you all been waiting for, ain't it?
お前らがずっと待ってたモンだろ、違うか?

What people pay paper for, damn it
みんながそのために札束(ペーパー)を払うモンさ、クソッ。

They can't stand it, they want something new
奴らは我慢できないんだ、何か新しいモンを求めてる。

So let's get reacquainted, became the hood favorite
だからもう一度挨拶しておこうか。俺はフッドのお気に入りになったんだ。

I can't even explain it, I surprise myself, too
自分でも説明できないくらいさ。俺自身も驚いてるんだぜ。

[Chorus: Kanye West]
Life of a Don, lights keep glowin'
首領(ドン)の人生、スポットライトは輝き続ける。

Comin' in the club wit' that fresh shit on
フレッシュな服に身を包んでクラブに乗り込むぜ。

Wit' somethin' crazy on my arm, uh-huh-hum
腕にはクレイジーな時計(あるいはイイ女)をぶら下げてな。

And here's another hit, Barry Bonds
そしてここにもう一発、特大のヒット(バリー・ボンズ)だ。
※メジャーリーグのホームラン王、バリー・ボンズの比喩。自分が出す曲はすべて特大のヒット(ホームラン)になるという豪語。

[Refrain: Kanye West]
We outta here, baby
俺たちはもう行くぜ(スタンド越えだ)、ベイビー。
※outta here=「ここから立ち去る」「成功して地元を抜け出す」という意味と、野球の実況でホームランが出た際の「It's outta here!(入った、スタンド越えだ!)」を掛けたダブルミーニング。

We outta here, baby
俺たちはもう行くぜ(スタンド越えだ)、ベイビー。

We outta here, baby
俺たちはもう行くぜ(スタンド越えだ)、ベイビー。

[Verse 2: Kanye West]
Dude, fresh off the plane—こんにちは, bitches
飛行機から降りたばかりだ。コンニチハ、ビッチども。
※当時のカニエが日本(NIGOらがいる東京など)を含む世界中を飛び回るジェットセットなライフスタイルを送っていたことを示す。

Turn around another plane, my passport on pivot
すぐに別の飛行機に乗ってとんぼ返りさ、俺のパスポートはフル回転してる。

Ask for it, I did it—that asshole done did it
望んでみな、俺はやってのけたんだ。あのクソ野郎(俺)がやりやがったんだ。

Talked it, then he lived it, spit it, then he shit it
言葉にして、それを生きて、ラップして(吐き出して)、そして捻り出したんだ。

I don't need writers, I might bounce ideas
俺にゴーストライターは必要ねえ。アイデアを出し合うことはあってもな。

But only I could come up with some shit like this
だけど、こんなヤバいモンを思いつけるのは俺だけさ。

I done played the underdog my whole career
俺はキャリアを通してずっと「負け犬(アンダードッグ)」を演じてきた。

I've been a very good sport, haven't I, this year?
今年は随分と「潔いスポーツマン」だっただろ、なぁ?
※good sport=「負けっぷりがいい人」「潔い人」。バリー・ボンズ(スポーツ)と掛けて、メディアの批判に対しても堂々と振る舞っている自分を皮肉交じりに評価している。

They say, "He goin' crazy and we seen this before"
連中は「あいつは狂い始めてる、こんなの以前にも見たことある」って言う。

But I'm doing pretty good as far as geniuses go
でも、「天才」の部類にしちゃ、俺はかなり上手くやってる方だぜ。

And I'm doing pretty hood in my pink polo
ピンクのポロシャツ着てても、俺はかなり「フッド」にやってるぜ。

Nigga, please, how you gon' say I ain't no Lo-head?
おい勘弁してくれよ、どうやったら俺が「Lo-head(ポロ好き)」じゃないなんて言えるんだ?
※Lo-head=Ralph Lauren(Polo)の熱狂的なコレクターや愛好家を指すストリート用語。

'Cause my Dior got me more model head?
俺がディオールを着てるから、モデルたちからご奉仕(フェラ)される回数が増えたからか?

I'm insulted, you should go 'head
侮辱された気分だぜ、お前らもやってみな。

And bow so hard 'til your knees hit your forehead
膝が額にぶつかるくらい、深く頭を下げてひれ伏しな。

And the flow just hit code red
俺のフロウはまさに「コード・レッド(緊急事態)」レベルだ。

Top five MCs, you ain't gotta remind me
トップ5のMC、そんなのわざわざ思い出させる必要もねえ。

Top five MCs, you gotta rewind me
トップ5のMC、俺の曲は巻き戻して聴かなきゃな。

I'm high up on the line, you could get behind me
俺はトップを走ってる、お前らは俺の後ろに並べばいい。

But my head's so big, you can't sit behind me (Sit behind me)
でも俺の頭(エゴ)はデカすぎるから、俺の後ろには座れないぜ(座れないぜ)。

[Chorus: Kanye West]
Life of a Don, lights keep glowin'
首領(ドン)の人生、スポットライトは輝き続ける。

Comin' in the club wit' that fresh shit on
フレッシュな服に身を包んでクラブに乗り込むぜ。

Wit' somethin' crazy on my arm, uh-huh-hum
腕にはクレイジーな時計をぶら下げてな。

And here's another hit, Barry Bonds
そしてここにもう一発、特大のヒット(バリー・ボンズ)だ。

[Refrain: Lil Wayne]
Yeah, yeah, we outta here, baby
イェー、イェー、俺たちはもう行くぜ、ベイビー。

What? What? We outta here, baby
何だ?何だ?俺たちはもう行くぜ、ベイビー。

Ayy, Mr. West, we so outta here, baby
エイ、ミスター・ウェスト。俺たち完全にホームランだぜ、ベイビー。

And me? I'm Mr. Weezy Baby, yeah
俺のことか?俺はミスター・ウィージー・ベイビーさ、イェー。

[Verse 3: Lil Wayne]
I'm so bright, not shady
俺は超輝いてるぜ、「シェイディ」じゃなくてな。

My teeth and my ice so white like Shady
俺の歯とジュエリー(氷)は「シェイディ」みたいに真っ白だ。
※shady(陰湿な)と、白人ラッパーのエミネムの別名であるSlim Shadyを掛けたワードプレイ。

Ice in my teeth so refrigerated
歯に埋め込んだダイヤは、マジで冷え切ってる(冷蔵庫みたい)ぜ。

I'm so fuckin' good like I'm sleepin' with Meagan (Ha)
俺はマジで最高(Good)だぜ、ミーガン・グッドと寝てるみたいにな(ハッ)。
※女優のMeagan Goodと形容詞のgoodを掛けた見事なパンチライン。

I'm all about my Franklins, Lincolns, and Reagans
俺の頭の中はフランクリン(100ドル札)、リンカーン(5ドル札)、それにレーガンでいっぱいさ。

Whenever they make them, I shall hayve them
奴らがその札を刷るなら、俺は必ず手に入れてやる(ヘイヴ・ゼム)。

Oops, I meant "have them"—I'm so crazy
おっと、「ハヴ・ゼム(have them)」の言い間違いだ。俺はイカれてるからな。
※レーガン大統領の肖像画の紙幣は実在しないが、「もし作られたらそれも稼ぐ」という強欲さを示す。さらに韻を踏むためにhaveをhayveとわざと発音し、直後に自分で訂正して狂気を演出している。

But if you play crazy, you be sleeping with daisies
でも、お前らが狂った真似(俺に逆らう)をするなら、デイジーの花と一緒に眠ることになるぜ。
※pushing up daisies=「死んで土に埋まる」ことを意味する英語の慣用句。

I'm such a hayvoc—oops, I meant "havoc"
俺はマジで破壊的(ヘイヴォック)だ…おっと、「ハヴォック(havoc)」の言い間違いだ。
※前のライン同様、わざと発音を崩して直すというウェイン特有のコミカルなフロウ。

And my drink's still pinker than the Easter rabbit
俺のドリンクは、イースターのウサギよりもまだピンク色だぜ。
※コデインシロップ入りのドラッグ飲料(リーン / パープル・ドランク)を指す。

And I'm still col' like Keyshia's family
俺はキーシャの家族みたいに「冷たい(コール)」。
※col'(cold)と、R&Bシンガーのキーシャ・コール(Keyshia Cole)を掛けたワードプレイ。

Stove on my waist turn beef to patties (Bow)
腰に差したストーブ(銃)が、ビーフをパティに変えちまう(バウ)。
※Stove=銃を指すスラング。Beef=揉め事。銃を撃って敵との揉め事(Beef)を挽肉(Patties)にするという、料理に例えた暗喩である。

And I ate it 'cause I'm so avid (No homo)
それを食ってやるよ、俺は超貪欲だからな(ノー・ホモ)。
※No homo=同性愛的な意味合い(男の肉を食べる=オーラルセックスなど)を打ち消すためのヒップホップ特有のフレーズ。

And I don't front and I don't go backwards
俺は虚勢(フロント)も張らないし、後ろに下がることもない。

And I don't practice, and I don't lack shit
練習もしないし、欠けてるモン(ラック)は何一つねえ。

And you can get buried—suck my bat, bitch (Ha)
お前を土に埋めてやることもできる。俺のバットでもしゃぶってな、ビッチ(ハッ)。
※曲のテーマであるバリー・ボンズの「野球のバット」と「男性器」を掛けた下ネタ。相手を完全に打ち負かすという宣言。

[Refrain: Kanye West & Lil Wayne]
We outta here, baby
俺たちはもう行くぜ(スタンド越えだ)、ベイビー。

We outta here, baby
俺たちはもう行くぜ(スタンド越えだ)、ベイビー。

We outta here, baby
俺たちはもう行くぜ(スタンド越えだ)、ベイビー。

Swag at a hundred and climbin', baby, yeah
スワッグ(イケてる度合い)は100%、まだまだ上昇中だぜ、ベイビー、イェー。

[Chorus: Lil Wayne, Lil Wayne with Kanye West]
Life of a Don, lights keep glowin'
首領(ドン)の人生、スポットライトは輝き続ける。

Comin' in the club wit' that fresh shit on
フレッシュな服に身を包んでクラブに乗り込むぜ。

Wit' somethin' crazy on my arm, uh-huh-hum
腕にはクレイジーな時計をぶら下げてな。

And here's another hit, Barry Bonds
そしてここにもう一発、特大のヒット(バリー・ボンズ)だ。

 

Barry Bonds (feat. Lil Wayne)

Barry Bonds (feat. Lil Wayne)

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