Artist: Kanye West (feat. Lupe Fiasco)
Album: Late Registration
Song Title: Touch the Sky
概要
本作はカニエ自身ではなくジャスト・ブレイズがプロデュースを担当し、カーティス・メイフィールドのソウル名曲「Move On Up」のホーンを大胆にサンプリングしている。ギャングスタラップ全盛期にピンクのポロシャツを着て異端扱いされた下積み時代から、生死を彷徨った交通事故を経て、遂にヒップホップの頂点へと登り詰めたカニエの成功譚が祝祭的に語られる。また、当時無名だったルーペ・フィアスコを客演に大抜擢しており、彼の高度な言葉遊び(ダブルミーニングやアニメの引用)が光るヴァースはシーンに衝撃を与え、彼をスターダムへと押し上げる決定的な契機となった。
和訳
[Chorus: Kanye West]
I gotta testify
証言しなきゃな。
Come up in the spot lookin' extra fly
とびきりイカした格好で、この場所に現れてやる。
'Fore the day I die, I'ma touch the sky
死ぬその日が来る前に、俺は空にタッチしてやるんだ(頂点に立ってやる)。
Gotta testify
証言しなきゃな。
Come up in the spot lookin' extra fly
とびきりイカした格好で、この場所に現れてやる。
'Fore the day I die, I'ma touch the sky
死ぬその日が来る前に、俺は空にタッチしてやるんだ。
[Verse 1: Kanye West]
Back when they thought pink Polos would hurt the Roc
ピンクのポロシャツじゃ「ロッカフェラ」の看板に傷がつくって思われてた頃。
※the Roc=Kanyeが所属していたジェイ・Z率いるレーベル「Roc-A-Fella Records」。当時はダボダボの服を着るギャングスタ路線が主流であり、カニエのプレッピーなファッションは異端扱いされていた。
Before Cam got the shit to pop
キャムロンがピンクを流行らせる前の話だ。
※Cam=ディプセットのリーダーCam'ron。彼がピンクのミンクコートを着てストリートでピンク色を大流行させる前、カニエは時代を先取りしていたという自負。
The doors was closed
扉は閉ざされていた。
I felt like Bad Boy's street team: I couldn't work the locks
バッド・ボーイのストリートチームみたいな気分だったよ、鍵を開けられなかった(The Loxを動かせなかった)んだからな。
※Bad Boy=ディディ(パフ・ダディ)のレーベル。work the locks=「鍵(Locks)を開ける」と、Bad Boyと契約揉めを起こしていたラップグループ「The Lox(ザ・ロックス)」を掛けた見事なダブルミーニング。
Now let's go, take 'em back to the plan
さあ行こうぜ、あの頃の計画に話を戻そう。
Me and my momma hopped in that U-Haul van
俺と母さんはU-Haulの引っ越しバンに飛び乗ったんだ。
Any pessimists, I ain't talk to them
悲観的な奴らとは口も利かなかった。
Plus I ain't have no phone in my apart-a-ment
それに、俺のアパートには電話すらなかったしな。
Let's take 'em back to the club
話をクラブに戻そうか。
Least about an hour I stand on line
少なくとも1時間は外の列に並んでた。
I just wanted to dance, I went to Jacob an hour
ただ踊りたかっただけなのに。ジェイコブの店には1時間で行ったぜ。
After I got my advance, I just wanted to shine
前払い金(アドバンス)をもらった後さ、ただ輝きたかった(見栄を張りたかった)んだ。
※Jacob=ヒップホップ界で有名な宝石商「ジェイコブ(Jacob the Jeweler)」。レコード会社から前金をもらってすぐに見栄でジュエリーを買いに行った下積み時代の回想。
Jay favorite line: "Dawg, in due time!"
ジェイ(・Z)の口癖はこれだった。「おい、そのうち時が来るさ!」
※ジェイ・Zはプロデューサーとしてのカニエを重宝していたが、ラッパーとしてのデビューは渋っており、彼を宥めるためにこう言っていた。
Now he look at me, like, "Damn, dawg! You where I am!"
でも今じゃ、あいつも俺を見てこう言うぜ。「マジかよ!お前、俺と同じ次元にいるじゃねえか!」ってな。
A hip-hop legend
ヒップホップのレジェンドさ。
I think I died in that accident, ‘cause this must be Heaven
俺はあの交通事故で死んだんだと思う、だってここは天国に違いないからな。
※2002年にカニエが顎の骨を砕く重傷を負い、生死を彷徨った交通事故への言及。そこからの大成功を天国に例えている。
[Chorus: Kanye West]
I gotta testify
証言しなきゃな。
Come up in the spot lookin' extra fly
とびきりイカした格好で、この場所に現れてやる。
'Fore the day I die, I'ma touch the sky
死ぬその日が来る前に、俺は空にタッチしてやるんだ。
Gotta testify
証言しなきゃな。
Come up in the spot lookin' extra fly
とびきりイカした格好で、この場所に現れてやる。
'Fore the day I die, I'ma touch the sky
死ぬその日が来る前に、俺は空にタッチしてやるんだ。
[Post-Chorus: Kanye West]
Now let's take them hi-ah-igh-igh-igh-ighhhh
さあ、奴らを高く連れて行こうぜ。
(Top of the world, baby, top, top of the world!)
(世界の頂点だ、ベイビー、世界の頂点!)
A-la-la-la-lah-la-lahhhhh
ア・ラ・ラ・ラ・ラー・ラ・ラー。
(Top of the world, baby, on top of the world!)
(世界の頂点だ、ベイビー、世界の頂点にいるぜ!)
Now let's take them hi-ah-igh-igh-igh-ighhhh
さあ、奴らを高く連れて行こうぜ。
(Top of the world, baby, top, top of the world!)
(世界の頂点だ、ベイビー、世界の頂点!)
A-la-la-la-lah-la-lahhhhh
ア・ラ・ラ・ラ・ラー・ラ・ラー。
(Top of the world, baby, on top of the world!)
(世界の頂点だ、ベイビー、世界の頂点にいるぜ!)
[Verse 2: Kanye West]
Back when Gucci was the shit to rock
グッチを着るのが最高にイケてた頃。
Back when Slick Rick got the shit to pop
スリック・リックがブイブイ言わせてた頃だ。
I'd do anything to say I got it
「俺も持ってるぜ」って言うためなら何でもしたよ。
Damn, them new loafers hurt my pocket
クソッ、あの新しいローファーのせいで懐が寒くなったぜ。
Before anybody wanted K. West beats
誰もK・ウェストのビートなんか欲しがらなかった頃の話だ。
Me and my girl split the buffet at KFC
俺と彼女は、KFC(ケンタッキー)の食べ放題を半分こしてた。
Dawg, I was havin' nervous breakdowns
なぁ、俺はノイローゼになりそうだったんだよ。
Like "Man, these niggas that much better than me?"
「おい、あいつらは俺よりそんなに優秀なのか?」ってな。
Baby, I'm goin' on an aeroplane
ベイビー、俺は飛行機に乗って旅立つよ。
And I don't know if I'll be back again
また戻ってくるかは分からないぜ。
※ジョン・デンバーの名曲「Leaving on a Jet Plane」のフレーズの引用。
Sure enough, I sent the plane tickets
案の定、俺は飛行機のチケットを送ってやったけど。
But when she came to kick it, things became different
彼女が遊びに来た時には、状況はすっかり変わっちまってた。
※成功して遠距離恋愛の彼女を呼び寄せたが、自分の心境や環境が変わり、昔と同じ関係ではいられなくなったことを示唆している。
Any girl I cheated on, sheets I skeeted on
浮気した女たち、俺がぶちまけたシーツ。
Couldn't keep it at home, thought I needed a Nia Long
家にまっすぐ帰れなかった、ニア・ロングみたいなイイ女が必要だと思ってたから。
※Nia Long=90年代から2000年代にかけて活躍し、黒人コミュニティで「理想の美女」の象徴とされた女優。
I'm tryin' to right my wrongs
俺は自分の過ちを正そうとしてるんだ。
But it's funny them same wrongs helped me write this song, now
でも笑えるよな、その過ちのおかげで今、俺はこの曲を書いてるんだから。
[Chorus: Kanye West]
I gotta testify
証言しなきゃな。
Come up in the spot lookin' extra fly
とびきりイカした格好で、この場所に現れてやる。
'Fore the day you die, you gon' touch the sky
死ぬその日が来る前に、お前も空にタッチするんだ。
You gon' touch the sky, baby girl, testify
空にタッチするんだ、ベイビーガール、証言してくれ。
Come up in the spot lookin' extra fly
とびきりイカした格好で、この場所に現れてやる。
'Fore the day you die, you gon' touch the sky
死ぬその日が来る前に、お前も空にタッチするんだ。
[Verse 3: Lupe Fiasco]
Yes, yes, yes, guess who's on third?
イエス、イエス、イエス、3番バッター(3番目のヴァース)は誰だと思う?
※有名なコメディアン、アボットとコステロのコント「Who's on First?(1塁手は誰だ)」と、自分がこの曲の3番目のヴァースを担当していることを掛けた言葉遊び。
Lupe steal like Lupin the 3rd
ルパン三世みたいに盗みを働くルーペさ。
※Lupe(ルーペ)と日本のアニメ「ルパン三世(Lupin the 3rd)」を掛けた高度なパンチライン。カニエの曲でシーンの話題をかっさらうという宣言。
Here like ear 'til I'm beer on the curb
縁石にこぼされるビールになるまで(死ぬまで)、耳のようにここにいる(ストリートの声を聴く)ぜ。
※亡くなった仲間の追悼のために縁石にビールや酒を撒く(Pour out some liquor)ストリートの習慣。自分が死ぬまで現場のリアルに耳を傾けるという誓い。HereとEar、Beerで踏韻している。
Peachfuzz buzz but beard on the verge
産毛の坊主頭だけど、髭が生える寸前だ。
※Peachfuzz(若造の産毛)=シーンではまだ新人だが、すでにベテラン(髭)の貫禄に達しつつあるという自信。
Let's slow it down like we're on the syrup
シロップでも飲んでるみたいに、少しペースを落とそうか。
※syrup=コデイン入りの咳止めシロップ(リーン)。飲むと動作がスローになる。ここで実際にラップのフロウを少し遅くしている。
Bottle-shaped body like Mrs. Butterworth
ミセス・バターワースみたいな、ボトル体型の女たち。
※Mrs. Butterworth=アメリカの有名なパンケーキ用シロップのブランド。容器がふくよかなおばあさんの形をしており、それをグラマーな女性の体型に例えている(前の行のシロップとも掛かっている)。
But before you say another word
でもお前が次の言葉を口にする前に。
I'm back on the block like I'm layin' on the street
ストリートに寝そべるように、俺はブロック(地元)に戻ってきた。
I'm tryna stop lyin' like I'm Mumm-Ra
マムラみたいに横たわる(嘘をつく)のはやめようとしてるんだ。
※Mumm-Ra=80年代のアニメ『サンダーキャッツ』のミイラの悪役。Laying(横たわる)とLying(横たわる/嘘をつく)を掛けており、棺桶に横たわるマムラのように嘘をつくのはやめるという宣言。
But I'm not lyin' when I'm layin' on the beat, en garde
でも、ビートの上に乗ってる(Layin')時、俺は嘘をついてないぜ。アン・ガード(構えろ)。
※Laying/Lyingのワードプレイの連続。フェンシングの構えの掛け声(アン・ガード)で勝負を挑んでいる。
Or touché, Lupe cool as the unthawed
いや、「一本取られた(トゥシェ)」だな。ルーペは解凍されていない(凍ったままの)ようにクールだ。
※touché=フェンシングで相手に突かれた時の「見事だ/やられた」という言葉。unthawed(解けない=氷のように冷たい・カッコいい)。
But I still feel possessed as a gun charge
でも俺はまだ、銃の不法所持罪(gun charge)みたいに「憑りつかれて(possessed)」いる気分だ。
※possessed=「悪魔などに憑りつかれた」状態と、罪状である「possession(所持)」を掛けた言葉遊び。
Come as correct as a porn star
ポルノスター並みに「コレクト」にやって来るぜ。
※come correct=「きちんとした態度で臨む、完璧にやる」というスラングだが、ポルノ男優の射精(Come)と掛けている。
In a fresh pair steps in my best foreign car
新しいスニーカーを履いて、最高の外車に乗り込む。
So, I represent the first
だから、俺は最初(1番目)をレペゼンしてるんだ。
※冒頭の「3番バッター(3rd)」からの対比で、「俺がナンバーワンだ」という宣言。
Now let me end my verse right where the horns are, like uh
さあ、このホーンが鳴るところで俺のヴァースを終わらせよう。アッ。
※楽曲を牽引するカーティス・メイフィールドのホーンサンプル(管楽器)の音に合わせて、見事にヴァースを締めている。
[Chorus: Kanye West]
I gotta testify
証言しなきゃな。
Come up in the spot lookin' extra fly
とびきりイカした格好で、この場所に現れてやる。
'Fore the day you die, you gon' touch the sky
死ぬその日が来る前に、お前も空にタッチするんだ。
You gon' touch the sky, baby girl, testify
空にタッチするんだ、ベイビーガール、証言してくれ。
Come up in the spot lookin' extra fly
とびきりイカした格好で、この場所に現れてやる。
'Fore the day you die, you gon' touch the sky
死ぬその日が来る前に、お前も空にタッチするんだ。
[Outro: Kanye West]
We back at home, baby!
故郷に帰ってきたぜ、ベイビー!
Sky high, I’m, I’m sky high!
空高く、俺は、俺は空高く飛んでる!
I’m, I’m sky high!
俺は、俺は空高く飛んでる!
I’m, I’m sky high!
俺は空高く飛んでるぜ!
I’m, I’m sky high!
俺は空高く飛んでる!
I’m, I’m sky high!
俺は空高く飛んでるぜ!
Sky, sky high! I’m, I’m sky high!
空、空高く!俺は空高く飛んでる!
Yeah, keep it rollin'!
イェー、このまま回し続けろ!
Yeah, uh, feels good to be home, baby!
ああ、故郷にいるってのは最高だな、ベイビー!
Feels good to be home!
家に帰るってのは最高だ!
